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うまくはいかない『聖杯戦争』 ◆Ee.E0P6Y2U 君らしく 愛らしく 笑ってよ ◇ 月明かりが妙に明るく、不気味なものに感じられた。 住宅街は、しん、と静まり返っていた。零時を回り街行く人は誰もおらず、静寂が道に漂っている。 灰色の壁がひんやりと冷たい。アキトはコンクリートに寄り掛かりながら息を吸い、吐いた。熱を持った身体が幾分か冷えた気がした。 昼間はなんてことのない風景も、夜になれば違う顔を見せるものだった。 蜘蛛の巣のように張り巡らされた電線。すすり泣くような虫の声がどこからともなく聞こえてくる。 街の狭間を縫うように伸びた道は途切れることなく、どこまでも続いていた。辺りに並ぶ民家の列はどれも同じぬっぺりとした外観に見える…… 夜の街は闇の濃淡にしか見えない。不気味な月明かりもまた、闇の一部なのだ。 そんな街に、不穏な音が響いていた。 誰か、それも複数人が駆けていく音だ。静まり返る街並みとは相いれない、慌ただしい音だ。 アキトは、じっ、と街の静寂に沈み込む。夜の街に同化する。そのくらいの心地だった。 あの音はアキトを追うものだ。 少女、美遊に逆襲された彼は追われる立場となった。 ほんの一時間ほど前の話だ。だが、それで彼を取り囲む状況は一変してしまった。 他のマスターに加え、この社会まで敵に回すことになってしまった。 その事実を認めながらアキトは思う。 あの時と一緒だな、と。 テンカワアキトがこうした立場に身を置くことは初めてではない。 脳裏を過るのは――三年前、ネルガルを離反した時のことだ。 アカツキの造反により、木連の少女を匿おうとしたナデシコは機能を停止させられた。 クルーの独自行動は未然に防がれ、厳しい監視の下、大多数の人間は以前の職場へと戻っていった。 そして少数の人間はネルガルの監視を逃れ逃亡した――アキトもまたその中の一人であった。 当時の逃亡生活を思い出し、アキトの胸の奥に渦巻くものがあった。ほのかに温かくも、その内側ははっとするほど冷たい、未練に似た想いだった。 あの時だって、今と同じくどこに社会の敵として狙われていた。 違うのは――隣にユリカがいたことだ。 ユリカら少数のクルーと共にアキトは逃走生活を行っていた。 かつて働いた食堂に置いてもらった。アキトは見習いコックとして、ユリカは看板娘として、それぞれ店に貢献することができた。 逃走生活ではあったが、思うに、ネルガルにはとっくの昔に見つかっていたのだろう。 知り合いの下に逃げ込んだ――なんて、そんな杜撰な逃亡をあのアカツキが見抜けない訳がない。 その上で拘束しなかったのも、アキトらが市井の生活を謳歌している分にはは都合がよかったからだろう。 逃走とは言っていたが、その実あれは精神的な逃避であった。 ユリカ、ジュン、ミナト、そしてユキナとの共同生活は確かに心地よかった。 木連との戦争なんて、そんな見たくもない真実を忘れることができるくらいには、幸せだった。 幸せだった。 けれど、結局はその幸せを、アキトもユリカも認めはしなかった。 ユリカは言った。ああしてラーメン屋をやっていくのもいいかもしれない、と。 けれど、自分たちにはナデシコがあった。皆が出会い、共に時間を過ごしたあの船が、皆、好きだった。 それがアキトにとっても、ユリカにもとっても“自分らしさ”だったから。 だからナデシコに帰った。 「…………」 でもそのナデシコはもうない。 火星での決戦でナデシコを降りたクルーはそれぞればらばらになった。 モラトリアムじみた時間もあったが、それもある日を境に全てが変わった。 ぐっ、とアキトは拳を握りしめた。 ほのかな追憶が、激烈な憎悪へと変貌していく。 喪った時への悔恨と、そしてこの聖杯戦争で無様を晒している自身に対する忸怩たる想いが立ち続けて現れた。 何だこの様は。 復讐だ、聖杯だ、恰好つけて戦いに臨んでおきながら、少女一人にいいようにあしらわれる。 これでは――何も変わらないではないか。 暗殺者に全てを奪われたあの時と。 ぼうっ、と己の身体が発光していることに気付いた時、もう遅かった。 足音が聞こえてくる。 こんな真っ暗な街で光を灯せば、見つけてくださいと言っているようなものだ。 だからこそ気を静める必要があったのに――馬鹿か、俺は。 今捕まる訳にはいかない。これで警察を殺傷でもすれば、それこそ取り返しがつかない。 アキトは地を蹴り駆け出した。どこかに逃げ込む必要があるだろう。でもどこへ。 足音が近づいてくる。それも複数。「こっちだ!」という声も聞こえた。夜の街がざわめいた。 立ち並ぶ民家の列。どれもこれも月と同じ不気味な色をしている。 アキトはそこで―― 一人の女を見た。 若い女だった。茶色の髪を後ろで結い、薄手のシャツを羽織っている。 彼女はアキトの姿を見て目を丸くしている。アキトもまた突然の邂逅に戸惑った。 が、すぐにアキトは口を開いた。「匿え」そう言いつつ彼は銃をつきつけた。 彼女はNPCだろう。外が騒がしいから様子を見に来ただけの、一般人。 NPCに追われているんだ。こちらもNPCを使わない手はない。そう思い、アキトは彼女を脅した。 女の顔に驚愕と、そして恐怖の感情が灯った。 銃口、出遭った状況、そしてアキトの外見から事態を把握したのだろう。 アキトは声をあげられる前に再度言った。「匿え」と。 女は無言でアキトを見返したのち、こくんと頷いた。 「お前の家に案内しろ」そう言うと、女は肩を震わせながらも歩いていく。アキトはその背中に銃をつきつけつつもついていった。 女の家はすぐそこにあった。立ち並ぶ民家の一つであった。ラトキエ、という表札が見えた。 門をくぐると荒れ果てた庭があり、捨てられた家財があった。 女が玄関の鍵を開ける。がちゃり、という音がいやに響く。扉が開いた。そこで女が不安げにアキトを見た。アキトは無言で彼女を促した。 震える足つきで彼女は家の中へと入っていった。銃をつきつけたまま、アキトは家に乗り込んだ。 玄関口には彼女のものと思しきもののほかに、二つ靴があった。どちらも子供用だ。 土足であがりつつも家の様子を窺う。中は暗く、静まりかえっていた。他の住民が起きている様子はない。 女はアキトを奥の部屋へと連れて行った。妙に広く、がらんとしたリビングだった。埃っぽいカーペットが敷かれ、十人は座れそうな大きな食卓がある。また隅にはテレビが置いてあった。 「…………」 窓からさしこむ月明かりの下、アキトは女に銃をつきつけたまま押し黙った。 さてこれからどうする。NPCの家にもぐりこんだとはいえ、ずっとこのままという訳にはいかない。 とりあえずここでやり過ごすにしても、できれば朝までには方策を見つけなくてはならない。 「で、どうするんだい? 次にアタシは何をすればいい」 不意に女が口を開いた。 「このまま突っ立ってろって訳じゃないんだろ」 「黙れ」 「黙れっていってもさ、見たところアンタもどうすればいいのか困っているみたいだけど」 銃をつきつけられながらも女の言葉続く。 肝が据わっている。そう思うが同時に彼女が震えていることも分かった。 震えつつもこちらの出方を窺っている。なるほど強い女だ。元となった人物の影響か。 「こういうのはどうです、不審者さん? 朝まではアンタはここにいる。陽が上ったら、アンタはここを勝手に出ていく。それでアタシはそれを誰にも言わない」 「お前がそれを守る保証はない」 「アタシには小さな弟と妹がいるんだよ。アンタは銃を持ってる危ない奴だ。そんな危ない奴相手に嘘なんか言うもんか。 黙って出てくれるならアタシにとってもありがたい」 女は震えつつもよどみなく、はっきりとそう口にした。 アキトは彼女をじっと睨みつつ、その提案を考えた。が、もとより考えるまでもない。 ここでこの女を殺すことはありえない。ヤクザならいざ知らず、ここで一般人を殺傷することはリスクが高い。加えて既に警官を殺傷している以上、更にやればルーラーまで敵に回すかもしれない。 公的権力が敵になった以上、そんな事態だけは避けなければならない。 アキトは黙って女を見据えたのち「分かった」と答え、突き付けた銃を下した。 が、すかさず「妙な動きを見せたら撃つ」と釘を刺した。 女は黙って椅子に腰を据えた。 それからしばらく無言の時間が流れた。 アキトも女も、ともに何も言わない。話すことなど何もないからだ。 かち、かち、と据えられた時計の秒針が時を刻んだ。 「アンタも座ったら?」と不意に女が言った。突っ立っているアキトが気になったのだろう。 アキトは無言で椅子を引き、腰を下ろした。女に向かい合うように座り、じっとその様子を窺う。 幸い、というべか女は何もする様子はなかった。落ち着いてきたのか身体の震えは止まり、退屈そうに目線を漂わせている。 そうして監視していると、女が思っていたよりもずっと若いことに気が付いた。 暗がりで分かりにくかったが、そばかすの浮かぶその顔はまだ少女ともいえる年齢に見える。 ラピスやルリよりは上だろうが――こうして所帯を持つほどの齢には見えない。 「……疑問かい? アタシが予想外に若くって」 アキトの視線に気づいたのか、女は僅かに笑って言った。 「安心しな。この家に住んでるのはアタシと、さっき言った妹と弟だけだよ。 ジルとミリーっていう、まぁまだ学校にもいってないような子たちだ」 玄関口にあった靴の数を思い出す。なるほど確かに間違ってはいないようだが、しかしそれにしてはこの家は妙に大きい。 その疑問を先取りするように女は言った。 「色々あってね、他の家族はいなくなっちまったんだ。この家も差し押さえられちゃって、本当はアタシたちのもんじゃないんだ。 競売にかけられてて、買い手が決まった瞬間に家やらテレビやら全部持ってかれるって訳。 何時追い出されるかもわからないし、勝手に住み着いてるって感じに近いね」 それで二階建ての一軒家の、こうも広い家に三人で住んでいるのか。 それは――寂しいだろう。そんなことを思わず思ってしまう。 「…………」 勿論だからといって声をかける筈もない。 今の自分はただの不審者だ。犯罪者だ。 そうでなくとも同情など彼女は求めてはいない。 それにつらい訳ではないのだ。生活苦があろうとも、共に過ごす者がいるならば何も堪えるものはない。 少なくともかつての自分はそうだった。 「暇だろ? なんか飲むかい? アタシは喉乾いたんだけど」 じっと黙っていると、女が不意にそう尋ねてきた。 緊張も大分ほぐれてきたのだろう。落ち着いた言動だった。 アキトはしばし考えたのち「五分以内に戻れ」と答えた。 女はすっと立ち上がり、部屋の外へと出ていった。 そうしてアキトは、がらん、とした部屋で一人取り残された。 何の音もしない。まっくらで見るべきものも何もない。けれど空白だけはあった。 そんな場所にいると、また余計なことを思ってしまう。 自分は――自分の家は小さかったな、などと。 ナデシコから降り、ナデシコ長屋での生活も終わったのち、一人保険の下りなかったアキトは極貧生活を送ることになった。 四畳半。風呂なし。トイレ共同。テレビも何もない。そんな生活だったが、寂しくはなかった。 ユリカがルリと共に押しかけてきて以来、狭い部屋での三人での共同生活が始まった。 それから呼んでもいないのにナデシコクルーがおしかけてきて、ホウメイガールズのデビューやらプロポーズまでの顛末やら、毎日が騒々しかった。 寂しさを感じる隙間などありはしない。 ありはしなかった。 それに比べてこの家は広すぎる。 広すぎて――だから寂しいだろう。そんな余計なことを考えた。 その時だった。 不意に部屋に明かりが灯ったのは。 アキトはすかさず身を起こす。見つかったか。そう思い辺りを窺うが、光が灯ったのは予想外の場所だった。 その光の出所は――テレビだった。 部屋に置かれた大きな液晶テレビ。あれもいずれは差し押さえられるのだろう。無論電源など入れてはいない。 しかし――そこには光が灯っていた。 がた、と椅子が音を立てた。かわいた音が部屋に響く。 そして食い入るように画面を見た。 その映像はひどく不鮮明だった。 ノイズの目立つ、いわゆる砂嵐が吹き荒れる映像だった。 けれどその砂嵐の向こう側に、確かに動くものがあった。 正確なカタチは分からない。 けれどそれは――忍者のように見えた。 忍者が誰かを背負って駆けている。そんな様がテレビには映っていた。 アキトはその異様な“番組”に気を取られた。 部屋は相変わらず異様に静かで、広かった。その空白を夜の闇が埋めている。 そんな真っ暗な部屋でテレビ画面は明滅し、ザザザ、と砂嵐の不快な音を響かせていた。 なんだこれは。 アキトは目の前の状況が理解できなかったが、しかしおかしなことが起こっている、ということは分かった。 まさかテレビ局の放送事故の類である筈がない。でなければ十中八九――聖杯戦争絡みの問題ということになる。 だがそれにしても奇妙だった。 魔術神秘に関しては全くの素人であるアキトだが、テレビの向こう側へ行く、などという技が何の意味を持つのか想像もつかない。 映像を介した洗脳の可能性も考えたが、それもなさそうだ。しかもこれをアキトが覗くのは偶然だ。この時間にテレビを見る人間などそうはいまい。洗脳としては機能しまい。 ならば何らかのメッセージか――と考えを巡らせている時、不意にアキトは気づいた。 女が戻ってきていない。 五分、という時間は当に過ぎている。 あの女はどこに行った。探すべく立ち上がるも、その答えはすぐに分かった。 音がしていた。テレビの奇怪な音などではない――足音だ。 窓の外を覗くとそこには警官と思しき人間たちが集まってきていた。 「あの女……!」 アキトは己の失態に気付く。 これはつまり――出し抜かれたということか。 女は最初からアキトとの約束など守る気はなく、隙を見て警察に伝えるつもりだった。 その為に身の上話などしたのだろう。アキトの気を逸らす為に。 考えてみれば当然のことだ。弟と妹を守る――その言葉が確かだとしたら、アキトのような犯罪者など匿う筈がない。 少女に続き、たかがNPCにまでしてやられたというのか。 テレビのことがあったとはいえ、再度の失敗にアキトは忸怩たる思いに駆られる。 馬鹿か俺は。そう叫びたい気分だった。 女を追っても無駄だろう。もう逃げているだろうし、よしんば人質などにしたところで何の意味がある。立てこもりすれば他のマスターの恰好の的だ。 足音が近づいてくる。もうすぐ突入されるだろう。考えている暇はなかった。 こうなってしまっては仕方がない――虎の子のボソンジャンプを使うしかない。最後の切り札たりえるものを、こんなどうしようもないミスで潰すことに情けなさを覚えるも、しかしもはやどうしようもない。 そう思った時だった。 テレビの向こうの忍者が消えていた。 いやより正確には――出ていった。 映像が荒くてロクに見えなかったが、忍者が何かを見つけテレビの外に出ていった――ように見えた。 そして画面の向こうには砂嵐だけが残された。 画面は未だにゆらゆらと揺れ、ザザザザザザ――と荒い音だけが響いている。 「入れる、のか……?」 思わずアキトは呟いた。 おかしな考えだ。しかしあの忍者たちは――恐らく聖杯戦争の関係者で、恐らくはマスターとサーヴァントだ。 彼らはどういう訳かテレビの向こう側に迷い込み、そして出ていった。 だとすれば、自分も―― 状況は急を要している。何か試す余地があるならば、試すべきだ。 アキトはゆっくりとテレビへと近づいていった。何かに惹かれるように画面へと手を伸ばし、そして―― ――テレビ画面に波が起こった。まるで水面に手をつけたように、手を中心に波紋が起こっているのだ。 アキトは目を見開いた。 何だこれは。想像だにしていなかった事態にアキトは混乱する。タッチパネルを搭載しているなどという訳ではあるまい。これは明らかに異常だ。 テレビを向こう側は、あるのだ。そしてそれは繋がっている。 そしてこのテレビ画面は大きい――それこそ人が落ちるのではないかというくらいには。 そのことを確信した時、アキトははっきりと恐怖を覚えた。 マヨナカテレビ、という都市伝説をアキトは知らない。 元の時代ではもちろん、この“方舟”においても彼はその噂を耳にすることはなかった。 けれど学生たちの間ではその噂が流れていた。 いわく深夜に映る筈のない奇妙な番組が放送されている、と。 ……同時刻、この“方舟”において、とある一人のマスターによりその噂は具現化されていた。 この“方舟”にマヨナカテレビは――確かにあるのだ。 無論アキトはそんなこと知る由はなかった。故に恐怖を覚えた。 しかし同時に好機であるとも感じた。これは――逃れる場所になり得るとも思えた。 ボソンジャンプで逃げるにしても、どこに逃げるかという展望は今の彼になかった。 家に戻るわけにはいかず、さりとて昼間に街の往来を歩くわけにはいかない。 どこか隔離され、社会の手から逃れる場所が拠点として必要だ。 警官たちの声がする。今にも彼らはやってくる。決断するならば今だ。 失策を重ねた今、これ以上ミスを犯す訳にはいかない。 この選択ひとつで自分の今後が決まるだろう。 「…………」 考えたのは一瞬だった。 自分には帰る場所はもうないのだ。 いましがたの少女を思い出す。こんな寂しい家でも彼女にとっては守るべき家だったのだろう。 だが自分にはもうない。そんな場所は、守るべきものは。 既にナデシコはない。“方舟”に至るまでにラピスとユーチャリスも置いてきた。そしてあの偽りの天河食堂だって、もう帰る訳にはいかない。 だからもう、ここでないどこかへ逃げるしかない。 覚悟を決め、テンカワアキトは――ボソンジャンプした。 テレビの中へ。 BACK NEXT 152 命蓮寺肝試しツアー 投下順 153-b 君の思い出に『さよなら』 時系列順 153-b 君の思い出に『さよなら』 BACK 登場キャラ:追跡表 NEXT 128 犯行(反攻) テンカワアキト&バーサーカー(ガッツ) 153-b 君の思い出に『さよなら』
https://w.atwiki.jp/fateonsen/pages/392.html
開催予定 日帰り聖杯戦争開催日 不定期。 概要 ルーマニアの首都、ブカレスト。 かつてその地では、"聖杯大戦"と呼ばれる大規模の聖杯戦争があった。 "聖杯大戦"後、土地の霊脈の核となる、"大聖杯"の喪失の影響により、霊脈の均衡が乱れ、その地の霊脈が強まってしまった。 魔術教会はそれを利用し、幾つもの聖杯を降臨させるが、その数は管理出来ない程、産み出された。 その為、魔術協会は聖杯を消費するために、"亜種聖杯戦争"と呼ばれる小規模の聖杯戦争を乱発するようになった。 そして、皆さま宛に『一通の聖杯戦争の誘い』と記された手紙が送られた。 この聖杯戦争も世界各地で行われている"亜種聖杯戦争"のーつではあるが、その規模やルールは冬木の聖杯戦争により近いものと言われている。 その為、小規模の聖杯戦争ではあるが、聖杯は本物でないかと期待されている。 ※この舞台は、Fate/Apocryphaの世界と、別の世界線であることを踏まえて頂けると幸いです。 此方、設定です→https //w.atwiki.jp/fateonsen/sp/pages/393.html
https://w.atwiki.jp/222seihaisensou/pages/133.html
「狂介の奴、三十分ぐらい前から何回か電話かけてきてたのか。間の悪い、行き違いじゃないか。」 そう言いながら間桐慎二はスマホをフリックする。アインツベルン城を囲むように広がる森から出た途端に電波が繋がるようになったそれには、狂介のスマホからの着信履歴が列をなして表示されていた。 城から走らせているタクシーは既に住宅街を望む所まで移動してきていた。悪路とはいえ基本的には直線の多い森の道は二十分も車で走ると外れにまで出ることができる。森に隠されていた太陽もその沈んでいく姿が時たま見えるようになってきた。 「しかもクロノからもやたら来てる。これどうやって留守電聞くんだ?」 「狂介が生きているのなら私は普通に帰るけれど。」 「そうだな、本当はイリヤにも一言言っておきたいんだが……いや、少し待ってくれ。本人にかけ直してみるから……おっと、繋がった。もしもし。」 『もしもし?慎二か!?今どこにいる?』 後部座席に並んで座るアリスの耳にも半日ぶりとなる狂介の声が聞こえた。ということは、つまり狂介は生きていたと見て良いだろう。アリスとしてはほぼ死んだものとしていたがそれならそれで良い。大した付き合いもないのでなんの情もわかないが、一応知り合いなのだ、まだ死んでいないのは都合が良かった。ちょうど住宅地に入り始めた車から景色を見ながら、アリスは電話へと耳を傾け。 『慎二、アルトリア・ペンドラゴンって人知ってるか?あとカルナと真田幸村っていうランサーも。』 「……言いたいことは色々あるんだけど、ちょっと待ってくれ。おいアリスーー」 そしてすぐに聞こえてきた名前に驚かされた。眉が動く。 今、聞き違いでなければ、アルトリア・ペンドラゴンと狂介は言ったのだろうか。それどころか真田幸村にカルナの名前も聞こえた。 「生きてたみたいね。それも揉め事に首を突っ込んで。」 「だな。それで、どうする、家に寄る?」 「そうね……私はーー」 『あ、これって言わない方が良かったっけ……キャスタ『ロン、メンタンピン一発ドラ1……裏ドラ乗ってドラドラ、跳満です』あああああああああああああ!!』 「……!?」 「うっさ!……なんだ、なんで突然叫んだんだ?」 『あれ?ピンフってロンの時はつかないんじゃ?』『つかないのはツモの時ですよ』『ツモピンアリのクイタンアリが一般的らしいよ』『クイタン?』『いや俺も良く知らないけど』『よし、次の莊から赤ドラも入れよう』『キャスター……点棒が……点棒が……』『二連続で飛ぶとはな』 「おい狂介!いったい何があった!何をやってるんだ!?」 謎の狂介の絶叫とキャスター、そして何人もの人間の声がスピーカーから流れる。珍妙な符号と、そしてジャラジャラという騒音がそれに続いた。 それを聞く慎二とアリス、困惑。 いったい全体、狂介がどのような状況に置かれているのか皆目検討がつかない。 なぜ生死が危ぶまれていた男が大勢の人間に囲まれているのか、そこで何をしているのか、それらの情報が得られる唯一の手段であるスマホからは、『ついでにアリスも加えるか』等というキャスターの声が雑音混じりに流れてきた。 「私を呼んだ……?」 「拷問かなにか受けてるんじゃ……おい狂介!しっかりしろ!今何をしてるのか落ち着いて言え!!」 大声でハッキリと喋ると、慎二はスピーカーに集中する。依然、そこからは雑音ばかりだが、辛うじて狂介の返事らしきものが聞こえ、アリスに目配せする。喋れる状態ではあるようだ。それなら、せめて聞き漏らさぬようせねばならない。 やがて、二人の耳にジャラジャラというなにか軽めの樹脂でもぶつけ合うような音と共に、狂介の声が聞こえてきた。 『今?ええっと……麻雀、かな?』 「「マージャン……?」」 思わず慎二とアリスが顔を見合わせたのは言うまでもない。 ■ ■ ■ ■ ■ ■ ■ 聖杯戦争は人一人の都合なんて簡単に無視して進んでいって。 九重りんが半日ぶりに目を覚ましたとき、彼女の周りはすっかり一変していた。 いつの間にか自分は病院のベッドからホテルのツインルームに四人で寝かされていて、それ以外にも色々な人、そしてサーヴァントが部屋に出たり入ったりしていた。 「目が覚めたか。」 「……最悪。」 スッ……と視界に現れたのはアサシン・千手扉間だ。 相変わらずの仏頂面でベッドの脇に立ち、りんを見下ろす。その顔を見て、なぜか無性に腹が立った。が、それを抑えて辺りを見回す。 状況が飲み込めない。自分が寝て……普段の睡眠とはなにかが違ったようにも感じたが、ともかく、起きたら全く自分が想像もつかないようなことになっていたのだ。 目を扉間に当てて無言で説明を求めると、「状況が変わった」と言ってきた。違う、そうじゃない、そんなことはわかっている。問題はなんで変わったかだ。 視線を逸らさない。引き続き説明を求める。根負けするように扉間が再び口を開こうとしたとき。 「アサシンさん、そろそろ買い出しーーあああ!!」 明るい色の髪の毛をポニーテールにした少女が部屋へと入ってきた。「静かにしろ」と扉間はその少女に向かって言ったがそんなのはお構いなしにポニーテールはりんの元へと駆け寄る。 「……アサシン。」 「アサシンさん、この子がーー」 「……説明する必要があるな、それも落ち着いて。」 気だるく動かない体のりんとそのポニーテールの少女が同時に口を開き、扉間は渋々といった感じで二人を交互に見た。 「八騎のサーヴァントがいるってこと?」 「ああ、そういうことだ。」 しばらくして、扉間から説明を受けたりんは頭を手で押さえながら自らのサーヴァントを睨んだ。その頭痛の原因はもちろん体調不良だけではない。 りんが聞かされたこれまでのことはなかなかに信じられるものではなく一つ一つの事柄に納得できない処もあるためどうしても理解するのは難しかった。それに年の割りには聡いとはいえ、小学三年生である。絶対的な知識も知能も経験も足りない。であるにも関わらず彼女が把握したイベントはなかなかにヘビーであった。 一、さっきのポニーテールの少女(日野茜というアイドルらしいが聞いたことはなかった)とそのサーヴァントであるランサー(真田幸村という侍らしいが歴史の授業は高学年からだ)が病院で聞かされたサーヴァント達である。 二、一緒のベッドに寝かされている外人(マイケル・スコフィールドという上半身入れ墨のイケメン)と床に転がっているアーチャー(亀甲縛りのオッサン)があのあと病院で出会った相手である。 三、その二組ととりあえず8日まで同盟を組んで協力していくことになった。 四、そしたら病院の少し北にある公園で全然知らないサーヴァントが戦っていることを知ってしかもそこにランサー・カルナというサーヴァントが乱入してビームを撃って公園を焼き付くした。 五、病院に来たキャスターととりあえず同盟を組んで(とりあえず多いな)カルナを襲うも撃退された。 六、その戦いの結果アサシンは病院で気を失い、その間に病院に爆破予告(なんでだよ)があったためりんは転院させられた。 七、りんを追いかけた先で美遊とバーサーカー(ここまでくると誰だよという気分だ)と出会い、一緒にホテルに行く(援交か?)と今度はいおりとランサー(冬木大橋で共闘した相手らしいが既に記憶の彼方だ)と出会った。 八、病院からいなくなっていたランサーとアーチャー(だからなんでだよ)、彼らと共にカルナと戦ったもう一人のアーチャーとキャスター(ややこしいな)、そしてホテルにいたクラスのないサーヴァント(もうわけわかんない)と合流した。 九、八組でとりあえず情報交換した結果(とりあえずばっかじゃん)、もっと腰を据えて話すだかなんだかで場所を変えるとかもうどうとでもなれ。 一度にこんなに色々あったて言われてもわかるわけないだろ! それがりんの偽ざる感想である。そりゃそうだ寝て起きたらこんなことになってたら誰だって戸惑う。そしてベンチに座ったりんは周囲を見渡すと更に困惑の表情を作った。 「アサシン。」 「なんだ。」 呼び掛けながら視線を左へ。カジュアルな服に着替えた茜と幸村がサングラスを鏡の前で試着している。りん、茜のことをパット見から五年生か六年生だと思っていたが、どうやらもう少し上のようだ。 視線を右へ。白のワンピースに身を包んでいる少女は、アサシンの紹介だと美遊だったか。そしてその横の低学年らしき少女は多分いおりだ。こちらは暇そうに立ち読みしながら時おり周囲に目をやっている。 「なんでみんなで売店に来てるの。」 「……買い出しだ。」 「いやなんで。」 「このホテルの上から三階を貸しきった。それぞれの組ごとに一部屋ずつある。」 「説明になってない。」 「病院は既に拠点としては不適当だ。場所を移さねばならん。」 「で、ホテルを拠点にするの?他にあんなに敵がいるのに?」 「……ここを拠点とする!」 「マダラさん、こっちは終わりましたよ!」 「あとなんでサーヴァントが実体化してんのなんであの人あんな大声なのていうか本名マダラなの。」 「話すと長いぞ。」 「わかった黙ってて。」 ベンチに並んで腰かけていたりんと扉間の元に向かってきた茜と幸村を認めて二人は会話を打ち切った。 自分のことを見習い魔術師として紹介した美遊・エーデルフェルトの存在は、幸村達魔力消費の激しいサーヴァントにとって非常な意味を持つ。戦闘さえしなければ数騎のサーヴァントに魔力を融通できるというのは、それだけで彼女を同盟相手として認めるに足るものだ。なにせ、ここにいるサーヴァントの半分は霊体化していたしても明日には消滅しかねないほど消耗しきっている。そこに来て魔力の安全な調達手段が現れたのは大きい。彼女のバーサーカーに回す魔力が足りなくなれば制御が効かなくなると念は押されたがそうであっても魔力を供給されるのは至上命題であった。 ーー彼女にとっての誤算は見習いどころか魔力を持たないマスターばかりということだった。仮にも聖杯戦争ならばなんらかの形で魔術に関わっているだろうと思ったが、話を聞くだけでは完璧に一般人であると思われるマスターばかりだ。自分の同盟での価値を高めるために少々手の内を晒したとたんにピラニアのように食いついてくるとは予想だにしなかった。 そして現在、早急に魔力を必要としている者のうち、要注意人物であり意識のないアーチャー・ワイルド・ドッグを除いた四騎のサーヴァント、即ちアサシン・千手扉間、ランサー・アリシア・メルキオット、アーチャー・安藤まほろ、ランサー・真田幸村の四騎が数時間という条件付きで一時的に魔力の供給を受けることとなった。この処置に対してもいくらかの小競り合いはあったものの最終的には美遊に判断が委ねられた。また美遊との距離が離れすぎてはいけなかったり実体化していなければ魔力供給はできないとのことでそれぞれがなんとか変装をし美遊の近くでの集団行動を余儀なくされていた。 これが何組もの主従が一度にホテルの売店に来ている理由である。サーヴァントが実体化し続ける必要が生じたため、あるいはマスターの着替えのため、そうでなくても雑貨なりなんなりを求めて、自然に買い出しに出る空気となり、マイケル達とそれを見張っているバーサーカーと画面の中から話しかけるドクのマスターを除いた全員がそれぞれに買い物をしていた。 真田幸村も、今はラフなTシャツとハーフパンツにサンダルという出で立ちだ。傷跡を隠すためのテーピングもあり、体格と合わさってアスリート然としている。そのせいか隣で変装用のキャップとサングラスを選んでいるマスターの茜がマネージャーのように見えるのだが、そのようなことは幸村にとっては注目すべきことではなかった。 その目線は、売店の近くのベンチに座る少女ーー九重りんへと向けられていた。 「気になりますか?」 鏡の前でサングラスを試着しながら茜に問われ、「それは」と口にして。しかし、そこから先の言葉が出てこない。それは、それはなんだというのだろうか。自分の中のものを言葉にしようとして、しかし、できなくて。 数秒の間を置いて、「拙者は未熟だと、思い知らされて」と呟いた。 試着したサングラス越しに茜と目が合う。 「未熟、ですか。」 「はい。」 「どうしてです?」 「知らないことが多いからです。」 ちらりとりん達を見ると、幸村は再び茜を見つめる。 「あーちゃー殿、まいける殿の方のあーちゃー殿が安藤殿達に暗殺者だと言われたとき、拙者はそれを否定しました。拙者が知る限りではそんなことはないと、安藤殿達より長く共にしていたのだからどのような人かはわかっていると。」 「しかし。」 「それはただの驕りではないのかと。」 「知っている気になっていただけなのではと、そう思った次第で候う。」 りん達は二人でなにか話しているようだ。茜は目の端でそれを見て「なんでです?」と珍しく小声で聞いた。 「拙者は、あさしんのマスターの、あの少女の名前すら知らぬのです。なぜそれで彼らを知った気になれましょうか。」 「……だったら。」 茜はサングラスを取ると棚から二つとってレジへと向かう。素早く会計を済ませると「まずは話してみませんか」と言って幸村の脇を通りすぎる。 「マダラさん、こっちは終わりましたよ!」 そうして、りん達に声をかけると「ね」と言って幸村に振り返った。 (こやつは、儂の想像以上の者だな……) ベンチにりんと並ぶように座った茜に対して扉間が抱いたのはそんな感想だ。 茜がりんと話はじめて数分で、この少女には人並み外れたものがあると、そうはっきりと思わされる。感じとしては、兄である柱間に近いだろう。 「でも東京って家賃も物価も高いですよね、こないだなんてーー」 「それは観光地だからーー」 (既に儂がこれまでにりんと話した時間より長く会話しているとはな。) アサシンがりんのサーヴァントとして召喚されてから数日が経つが、今に至るまで大した会話はなかった。互いが互いを信頼していないしりんにマスターとしてできることなどなにもない。その事を互いにわかっているからこそ、両者の間に言葉らしきものは殆ど無かったし必要もなかった。 しかし、茜がりんと話し初めてから両者の会話は途切れることはない。必要最低限以下の会話しかしてこなかった、できなかった扉間からすれば驚きを持って受け入れられる。 正確には茜が捲し立てそれに時々りんが相づちを打つような感じなのだが、それでもそこには確かなコミュニケーションがあるとはっきりわかった。 (日野茜……大した奴だ。) (……暑苦しい。) 一方のりんは、この空間に辟易していた。 運命共同体とも言うべきアサシンはともかく、茜も幸村もつまりは他人、敵だ。勝ち残るのは一人である以上、それは間違いない。 それなのに、特に茜は明るく前向きで社交的だった。こいつは本当に聖杯戦争のマスターの自覚があるのか、と問いたくなるほどに、茜は自らをさらけ出してくる。 その事が、不快であった。 馴れ合う必要などないだろうに。 確かに、同盟とはそういうものなのかもしれないが、それでも最低限で良いのではないか、そう思わずにいられない。 「茜さん達って、真っ直ぐで前だけ見てるんですね。どうしてです?」 会話の流れを切るようにそう言った。 それは、これ以上茜に合わせるのが苦痛だから、そして、軽蔑していたから。 子供特有の無邪気さを醸し出しながら、皮肉げな感じを出さないように、それでいて印象に残るよう。 この太陽のように眩しい少女達が見えていないものを、気づくヒントをあげようと、二人が破綻し死ぬところを想像しながら。 (前向きでいられる人ばっかじゃないのに。) 黒いものが自分の心に沸き上がる。それがはっきりわかる。イメージは背中を向けた茜にナイフを叩きつけるように抉り込む光景だ。前だけ向いてるからそうなるんだ、私がアサシンに初めて命令して殺させるのはお前にしてやる。 愉悦の笑みを浮かべて、りんは答えを待つ。どうせ、大した理由ではないのだろう。この頭の軽そうな二人に自分が満足のゆく答えなど出せるはずがない…… 「それは、前以外も見ているからではなかろうか。」 ぴしり。 りんは睨むように、いや、実際にそう言った幸村を睨んでいた。今こいつはなんと言ったのだ?この脳みそ空っぽといった顔の男は。前以外も見ている?だったら無用心に他のマスターなんかと馴れ合うなもっと気を配れ。それともなにか?私はそんな必要もない雑魚だっていうことか? 睨む。 睨む。 睨んで。 「どういう、こと。」 絞り出す。ぎりぎりと頭のなかでなにかが音を立てる。しかし、幸村はそんなこと全く見えていないかのように 「口を挟んでしまい忝ない」と言ってから続けた。 「人は前だけ見て走ることはできませぬ。上はもちろん、下や後ろも見なければ。足元も見ずに走り続けることができる者はおりませぬ。」 ぎりぎり。 ぎりぎりぎりぎり。 なにかが、りんの中で軋む。なんだそれ?下や後ろ?それは私のことか?ふざけるな、だいたいそんなところにまで目を向けていたら前なんて向けない。足下にある影に気づかないように生きているだけのくせに、影を愛した人の気持ちなんてわからないくせに。 「後ろを見たら……進めない。大事なものから離れていっちゃう。」 先程までの曲がりなりにも和気藹々とした空気はとっくになくなって。 あんなに話していた茜も、りんと幸村の話になにも口を挟まなくて。 目と目を合わせた二人だけ。 「ーーならば、連れていけばいい。」 絞り出したりんの言葉に、平然と、幸村は言葉をぶつけてきた。 「歩んできた道に置いてきたものがあるのなら、それを供に連れていく。」 「できるわけない。手遅れなことだって。」 「たとえ手遅れでも、今持てるだけのものを持って前へ歩むことはできるはず。」 りんの反論も容赦なく、打ち据える。否定する言葉を、越えてくる。 (そうか、この人は。) 強いんだ、そう気づいた。 幸村は、ランサーという英霊は強いんだ、りんの悩みとかそういったものを知らない、わからないと思ったが、そうじゃないのだ。この人は、きっとそういったものを力業でどうにかしてきたのだ。 (そっかぁ。) 「幸村さんは、強いね。」 心から、そう言えた。こいつはバカじゃないんだ。大バカなんだ。真っ直ぐ前に進むための力をバカみたいに頑張って手に入れた人なんだ。さすが英霊だ、サーヴァントだ。 りんの言葉に、幸村は曖昧な笑みを浮かべた。 「拙者は、ただ不器用なだけでござりまする。臆病者は、後ろや足下が気になるもの。ただ前だけを見て駆けるような真似は……拙者にはできなかった。」 目の前の幸村が、とても小さく、同時にとても大きく、りんには感じられた。 強くなろうとしたから強くなった。そんな単純でだからこそとてつもなく強いのだろう。 「ははは……少し気恥ずかしいものですな。改めて申しますと。」 「なんだか……なんだかスゴいです!ランサーさん!!なんだろう、言葉にできないことが言葉でわかったっていうか……!」 シリアスな空気は直ぐに消えて、幸村は元の感じになった。 時間にすれば一分ほど、交わした言葉はほんの僅かなのに、りんはわからされた。その幸村の強さが、まるで嘘だったように砕けた空気が広がる。それがりんの背中を寒くする。こんなにも強い人間が、今や先程まで観察していたように茜と緊張感のない会話をしている。たった数十秒で二人はいつもの感じになったのだろう。そんな、オーラの欠片もなくした人物が、自分とは格段に違う人としての強さを持っていることが。 (なれるのかな。) 私も。 忘れちゃいけない過去を、未来に持っていくような強さを持った人に。 「あ、そうだ!りんちゃんもなにか売店で買っていきません!?ここってお土産屋用に洋服とかも売ってるんですよ!」 「……じゃあ、折角だから。」 「ですよね!マダラさんはどうします?」 「儂か?そのような……」 「買おうよ、アサシン。」 「マスター……」 私が、変われるかもしれない。 そう思えたのは、これでたぶん、三回目。でも、自分から変わりたいと思ったのはもしかしたら初めてかもしれない。 愛とか恋とか、そういったものじゃなくて、強さを欲しいって、生まれて初めて思った。 茜に背中を押されて売店に行ったところで、ちらりと賞品が目に入る。こういったところで買うのなら、やっぱりああいったものの方がいいかもしれない。値段も安いし、いつでも見れるから。 「?アルファベットのブロック?あー!名前を作れる奴ですね。」 「折角だから、ね。」 「折角ですし買っちゃいましょう!」 幸村達とは、いずれ殺し合う。あんなに強い人間と。とても勝てるなんて思えない相手と。 でも、だからこそ、強くなりたい。 私が、前へ本当に進むために、まずは勝たなきゃ、勝たなきゃいけない。荷物は大分重くなりそうだけど、耐えられるかわからないけど、それでも抱えて。 (お母さん……レイジ……) (先生……!) 九重りんは、自分の大切な人のところへ、九重りんとして帰りたい。 「狂介、麻雀をしよう。」 「……え、なんで。」 ところ変わって売店の反対側!そこでは顔と股間だけ実体化したキャスター・パピヨンがマスターである色丞狂介を麻雀に誘っていたッ!! 「俺が麻雀したくなったからだ。」 「そんなノリで麻雀しちゃ、ダメだろ。ていうか道具とかどうするんだ。俺金ないぞ?」 「その点は心配する必要はない。お前が真田幸村達を見ている間にスポンサーが見つかった。」 「見てたのかよ……だったらなおさらなんで麻雀なんだ。なんかあっちは打ち解けた空気になってるのになんでこっちは麻雀なんだよ。」 「アイツらは元から同盟組んでるんだから今まで打ち解けてなかったのはただの怠慢だろう。それよりこっちはこっちで麻雀で打ち解けるぞ。」 「時々ほんと辛辣だよな……」 見も蓋もない言い方にドン引きする狂介だったがパピヨンはお構いなしのようだ。そうこうしているうちに、自分の後ろに誰かが立つ気配を感じ、そして。 「変態さん、麻雀をしましょう。」 「安藤さん!?ていうか変態さん呼びはやめて!?僕は変態仮面になれるだけで僕個人は変態じゃないから!!」 ■ ■ ■ ■ ■ ■ ■ 「本当にやるのか……?あっちはあんな良い空気だったのに本当に……それにメンバーおかしくないか?」 「そうか?俺はそう思わんが。なあ安藤?」 「そうですね、特におかしくはないと思います。」 「……あー、俺もそうかな。ランサーもそうだろ?」 「そう……ね。」 「私も、そう思う。」 そんなこんなあって冬木ハイアットホテル最上階。 貸しきったは良いもののどこの誰が作ったかわからない陣地に寝るわけにもいかないのでみんなの共有スペースという名の贅沢すぎる空き地と化したそこには四組の主従がいた。 全く気乗りしないが連れてこられた色丞狂介となぜかノリノリのキャスター・パピヨン。 気乗りしないとかそれどころじゃないだろうにまさかの参加の野比のび太とやっぱりなぜかノリノリのアーチャー・安藤まほろ。 ほぼ二つ返事で参加を表明した高遠いおりとランサー・アリシア・メルキオット。 そして魔力供給の都合で行動が制約されまくってる美遊・エーデルフェルト。 以上である。 (明らかに幸村達をハブにしてるよな、これ。) 人選からしてあからさまなそれに思わず「……これ、親睦会なんだよなあ?」とつっこむ。 「物事には順序ってものがあるだろ?それに……」 「それに?」 「麻雀は四人じゃないとできない。」 「そっちが理由か!」 あんまりなキャスターにつっこむと同意を求めるように見回す。が、他のマスター達はお構いなしに麻雀の準備を進めていた。 (あれ?これ僕がおかしいの?なにこの空間?) しかし狂介、さすがは変態仮面。「ここはこういうノリのパートなんだな」と誰に言うともなく呟く。 「ところで、僕ルールわからないんだけど。」 「安心しろ、ちゃんと一から教えてやる。ちょうどここに簡単なルールブックもあるからな。まずはお前から読んでおけ。それと、全員にボールペンを配っておく。それぞれが重要だと思うところに下線を引いていってくれ。全員の理解につながる。」 「用意いいなあ、やる気満々じゃーーん……?」 「麻雀牌のおまけでついてきていた。抱き合わせ商法だな。さて、まずは牌を出してくれ。そこから使わない牌を幾つか抜く。」 「そういうことか……あ、使わない牌?……この白いのか。」 「いや、それは白という牌だ。春夏秋冬の四種類の牌を抜いてくれ。」 「これか?」 「それは一索。春とか夏とか書いてある牌あるだろ。」 「あ、これかあ!」 おおなんということか!このような謎空間に、直ぐ様狂介は適応したのだ!ウ~ン、さすがギャグ漫画の出身だ。 「コレって裏返さなくていいのか?」 「ルールを説明するのにそれだとわかりにくいだろ。さて、次にそれぞれ13個ずつ牌を取れ。」 「じゃあとりあえず適当に……」 「全員取ったな?それでは反時計回りに一個取って一個捨てるを繰り返す。それで四つの面子と一つの雀頭を一番早く作れたプレイヤーが勝ちだ。」 「……」 「……キャスター、狂介の頭がパンクしてるっぽいんだけど。」 「面子とか雀頭とかわかんないよ……」 「改めて説明すると難しいな……面子というのは同じ牌を三つか連番で三つ、雀頭というのは同じものを二つだ。」 「……??」 「……よし、大富豪でトランプを三枚一度に出せるような組合わせが面子で二枚一度に出せるような組合わせが雀頭だ。」 「なるほど!」 (それでわかるのか。) (かえってわかりにくいと思います。) 意識を切り替えると、狂介達は大きなリアクションで説明台詞を言っていく。こういうのはハイテンションの方が面白いからね。その間も、ルールブックは狂介からまほろさん、まほろさんからいおり、いおりから美遊へと渡っていく。一回りすると再び狂介の元に戻ってきた。 東東東 「こんな組合わせか?」 「それが面子だ。二つなら雀頭だな。」 一二三 萬索索 「これは?」 「スートが違うからダメだ。一萬を一索に変えれば面子になる。」 「ふーん。」 狂介はそういうとルールブックに書き込んだ。そして先程と同じように回す。情報の共有は大事なのである。面子を間違えると大変なことになるのだ。 「なんとなくわかってきたかな。じゃあ裏っ返してやってみる?」 「おっし、じゃあ誰が親だ?」 「もしかして親にも決め方とかあるのか?」 「わかってきたか。まずは誰でもいいからサイコロを振れ。」 「え、これ、サイコロ必要なの?」 「……点棒のところ。」 「この骨みたいのか」 「それが点棒だな。黒いものが百点で赤いものが千点、厳密に言うと違うがとりあえずそう思っておけば問題ない。」 「あー、なんか点数制だったかも。それで初期LPはいくつだ?2000?4000?8000?」 「25000だ。」 「「え?」」 「25000だ。とっとと配れ。」 「多くない?」「30000ですよね?」「え、30000?」 「どっち?」 「……どっちでやりたいかによるな。別に25000でも30000大した違いはない。」 「そんな適当な……」 「仕方ないだろローカルルールが多いんだから。俺はオーソドックスなルールを紹介しているだけだ。」 「初期の遊戯王みたいだな……」 (こいつは本当に小一なのか?) ちなみに2014年の八月といえば四月のリミットレギュレーション改訂にも関わらず依然として環境にとどまっていた征竜に対して竜の霊廟を制限カードにするなどの措置がとられたために青龍デッキが弱体化したことはご記憶の方も多いだろう。しかし同時にデビル・フランケンが制限解除されたのもこの改訂である。 別にいおりは決闘者ではないのでそこまでは知らないのだが、まほろさんから回ってきたルールブックに書き込みをしながら(そういえばポケモンカードってまだあるのかな)なんて考えていたりはした。 「じゃあ今回はきりよく30000で。で、次は?」 「次は東風か半莊か全莊か……つまりマッチ数を決める。それぞれ1ラウンド4戦、2ラウンド8戦、4ラウンド16戦だ。俺は東風を推す。」 「私も東風がいいと思います。」 「じゃあ、俺も。」「僕も。」「……私も。」 「というわけで、東風だ。さて話を親決めに戻すぞ。サイコロの和の数だけ振ったやつを一番目にして反時計回りに数えろ。本当は席順とかも決めるが今から裏っ返した牌表にするのは面倒なので省く。」 「わ?」 「足し算の結果のことだよ。」 「お前小学一年生に算数教わるとか恥ずかしくないのかよ。」 「和ね!聞きなれないから!」 「出目はピンゾロか……変なところの運が良いな。ということはお前の下家の安藤が仮親だ。そして仮親が同じようにサイコロを振って親を決める。」 「じゃあ私から。サイコロの出目は……11ですね。あれ?これって……」 「そのまま安藤が親だな。」 「じゃあ、まず山から六組をどけて、二段四枚ずつ……あ。」 「……まだ山を説明していなかったな。それぞれ適当に17牌集めて横一列に並べろ。その上にまた横一列に牌を並べる。そうすると牌の山が四つできるだろう。」 「?……キャ「理由の説明がめんどくさくなってきたから省くがそういうものだということで納得しろ」ええ……」 「狂介さんデッキみたいなもんだよ。」 「とにかく一人四個ずつとっていっきましょう。これで三周目……と。」 「……はい。」 「あ、えーと……美遊?ありがと……これ対面の牌どうやってとれば良いんだ。届かないぞこんなの。」 「それについては。」 「ついては?」 「頑張れ。」 「えぇ……」 対面の山から牌を取ろうとかわいく頑張るいおりをよそに、のび太は無言でルールブックに書き込みをしていく。ペアを組んでいるまほろさんは隻腕であるため基本的にのび太が書き込みをしていた。 八九一八九一八九一 白發中西西 萬萬萬筒筒筒索索索 「おし!これで上がり!なんか得点高そうなのできたぞ!」 「狂介、残念なお知らせがある。」 「なんだよ、ちゃんと面子も雀頭もあるだろ。」 「どうやらお前は八九一で順子……連番の面子になると思ったようだが、さっき俺の言ったことを覚えてるか?」 「……どのこと?」 「『大富豪でトランプを三枚一度に出せるような組合わせ』……と言った覚えがあるんだが。」 「……あ。」 「それと白發中は一枚ずつ集めても意味はない。同じものを三つ用意しないと面子にはならん。」 「あああああ。」 「仮にそれらがルール上問題なければ役は三色同順に役牌、混老頭といったところか。満貫だな。ハハハ残念。」 「ああああああああ!!!」 「良いリアクションだ。」 白目を向きながら立ち上がり絶叫する。さすがにうるさすぎるが麻雀ものなのでリアクションが大げさなのは仕方ない。だがキャスターは適当にあしらうと美遊から回ってきたルールブックに目を落とした。書き込みは順調に増えている。目論みどうり情報の共有はうまくいっているようだ。 「ところで役ってなんだ?」 「……それなんだが。説明するのが非常に面倒くさいのでルールブックを回し読みしてくれ。」 「そんな面倒くさいゲームやろうとするなよ……」 「ごたごた言わずにとっとと読め。話はそれからだ。」 今さらな質問をしてきた狂介にルールブックを渡す。これだけの書き込みだ。状況の理解には役立つであろう。 一通り最初の書き込みから目を通すと、狂介は下家のまほろさんへと渡した。 「たぶん……チーとポンとカンはわかった。前の番の人が捨てたので三連続になるような面子を作るのがチーで、誰かが捨てたので三個同じ面子を作るのがポン、四個同じのがカンか。」 「お前突然かしこくなったな。」 「そのぐらいルールブック読めばわかるよ。」 「そいつは頼もしい。ところで、じゃあ明カンと暗カン、加カンの違いは?」 「……」 「やっぱりな。」 「キャスター、この面前ツモってなんだ?鳴いていないと役になるのか?。」 「そういうこと。」 「鳴く?」 「チーやポンのことだよ。」 「明カンや加カンも当てはまるみたいです。」 「お前小学生に麻雀のルール教えられて恥ずかしくないのかよ?」 「ふつう混乱するってこんなの!」 「ちなみに鳴く要領で上がるのはロンだ。」 わいわいとやりながら、それぞれの書き込みは増していく。こういった共同作業は、今後のためになる。 「ポン……こう?」とまほろさんが切った白をルールブック片手にポンしながら美遊は皆に聞いた。 「そうだ、鳴いた牌はその組み合わせごと右端に見えるようによけろ。」 「鳴いたのは表にするのか……」 「鳴いた牌だけ横向きにするのを忘れるなよ。では美遊、牌を切れ。」 「それいおりちゃんの手番飛んでない?」 「飛ぶぞ。だから鳴かれてばかりだといつまでたってもツモれない。」 西 「キャスター、この東西南北の牌って同じの三つ集めただけじゃダメなんだっけ。」 「うん……ああ、場風と自風のことを話していなかったな。場風はその莊……ラウンドごとのボーナスみたいなものだ。東一局なら東が、南一局なら南が、という風にそれぞれのラウンドの名前と同じ牌が場風になる。」 「今は東三局だから……東?」 「正解だ。次に自風だが、親を東にして順に南、西、北という風に各プレイヤーにボーナスとなる牌が決められる。そう考えておけばとりあえずそれらしい麻雀は打てる。」 「……?」 「方角がおかしいと思うかもしれないが、それはそういうものだと納得しろ。ルールと直接関係ないところまで説明したらキリがないからな。」 ルールブックを片手に、狂介達の麻雀は続く。じゃらじゃらという音が部屋に木霊する。 やがて、巡りめぐって、場には緊張感が漂ってきていた。 (そろそろか。) パピヨンは狂介の持つルールブックを見る、わざわざ麻雀をした甲斐があったというものだ。 「東四局、オーラスだ。しかしここまで誰も和了れないとはな。」 どうも皆、麻雀そのものには集中していないようだ。それもそうだろう、これは親睦会、麻雀自体が目的ではない。 だがそれでも、麻雀は進んでいく。十五順目、テンパった狂介にそれは訪れた。 (上出来だな。) 二二五五五五八八四四六六 中 中 萬萬筒筒筒筒筒筒索索索索 「あ、ツモったぽい。」 「七対子だな。さて、符と飜の計算だが……」 「……」 「ルールブックを読んだならわかっていると思うがこれを理解するのは役を覚えるのより難しい。なので今回は全部俺が計算する。」 「お願いします。」 「といっても七対子は25符2飜なんで計算は楽なんだがな。2400点だ。」 「ていうことは、もしかして優勝?」 「ただ七対子では同じ牌の組み合わせで対子をつくって和了ることはできないので五筒が四枚あるそれでは和了れてないな。ハハハ残念。」 「あああああああああああ。」 キャスターはほくそえむ。予想以上に、今回の親睦会はうまくいった。こちらの想像以上にいおりや美遊が空気を読めたというのもあるが、やはり一番はのび太の献身的なルールブックへの書き込みだろう。 『朝の5時頃に、時空が歪むなにかがあった。』 『時間を巻き戻したり止めたりできる人がいるかもしれない。』 『新都にあるファミレスで、アーチャーはクラスの見えない茶色いコートのサーヴァントと話していた。』 『アーチャー達が二人で襲いかかってきて、サーヴァントのドラえもんを殺した。』 『安藤さんとマスターのナノカさんに助けてもらってカレーを食べた。』 『スーパーでアーチャーと茶色いサーヴァントにあったとたんカルナに茶色いサーヴァントが殺された。』 『カルナに安藤さんとアーチャーと真田幸村が戦っていった。』 『アーチャーが大勢の軍隊みたいな男と一緒に襲いかかってきた。』 「少し、見えてきたな。」 パピヨンは、笑った。 パピヨンが麻雀による親睦会を提案したのはもちろん単純に麻雀がしたかったからではない。 その目的は情報交換、それもアーチャーの嫌疑を共犯者の可能性が高い病院組の主従やドク達に悟らせないように調べ、共有するためである。 この目的を果たすためには、大きく二つの問題があったのだが、それを解決するための方策が麻雀であった。 一つ目の問題である『のび太への接触』は、他のマスターを巻き込むことで解決を図った。自分達はただでさえ病院組の主従からはマークされているであろう。ならば一対一で話すのは警戒と疑いを招く。それならば限られた相手であっても腹を割って話す方が得策であるとした。 二つ目の問題である『会話の盗聴盗撮』は、牌の音や話し声による音量での妨害とその内容による欺瞞、そしてルールブックへの筆談で対処した。キャスターが調べ改竄した限り、この陣地はほぼ無力化に成功しそれらの恐れはまずないとはいえ、注意しておくに越したことはない。高性能な集音機が宝具のサーヴァントや透視が可能なサーヴァントがいる可能性もある。それらを考慮して、『そういうのではないふざけた雰囲気』をつくって、筆談による情報交換を選択した。 そうした配慮をした結果が、今パピヨンの手の中にある。気絶から目覚めたのび太の証言はもちろん、それぞれのマスターから寄せられた情報もなかなかに興味深い。美遊から開示された白いセイバーらしきサーヴァントやいおりから開示されたクラスの見えない猫耳ナチスサーヴァント。そしてこちらが開示した慎二達同盟相手の限定的ながらも量の多い情報。これらは価千金だ。 「ん?電話か。」 再び東風戦が始まった頃にパピヨンの股間でスマホが振動する。画面を見れば、『ワカメ』の表示。麻雀が始まる前に狂介がかけていた時はまるで繋がっていなかったが、どうやらあちらは無事のようだ。 狂介の首にスマホを挟ませ通話させる。あとでメールで情報をやり取りしておくべきだろう。こちらは大分新しい情報を得た。 「ーーここからが面白い。」 通話に気をとられ振り込んだ狂介を見ながら、パピヨンはくつくつと笑いに、笑う。 【深山町、間桐邸近く/2014年8月1日(金)1836】 【アリス・マーガトロイド@東方Project】 [状態] 精神的疲労(微)。 [残存令呪] 3画 [思考・状況] 基本行動方針 幻想郷に戻ることを第一とする。 1.一度自宅に戻る。 2.マージャン? 3.三千人、ね。 4.定期的に赤城の宝具で偵察。 5.できれば冬木大橋を直接調べたい。 6.人形を作りたいけど時間が…… 7.聖杯戦争という魔法に興味。結界かあ…… [備考] ●予選中から引き継いだものがあるかは未確定です。 ●バーサーカー(ヘラクレス)、キャスター(パピヨン)、キャスター(フドウ)、ルーラー(ミュウイチゴ)、セイバー(アルトリア)、セイバー(テレサ)、ライダー(五代)のステータスを確認しました。 ●参加者が三千人いることを考え始めました。 ●間桐慎二と色丞狂介とイリヤスフィール・フォン・アインツベルンとクロノ・ハラオウンに疑念を抱きました。 ●アインツベルン城の情報を知りました。 ●ランサー(カルナ)の情報を入手しました。 ●柳洞寺で会談した結果、色丞狂介&キャスター(パピヨン)、ルーラー以外の情報並びにそれぞれの連絡先を共有しました。主に当事者以外のサーヴァントの情報でありこれには一部の聖杯戦争に関する情報も含まれます。またルーラーに大して言及を避ける暗黙の空気も共有されました。 ●自宅は新都にあります。 【間桐慎二@Fate/stay night 】 [状態] 疲労(小)。 [残存令呪] 3画 [思考・状況] 基本行動方針 聖杯を手に入れる。何を願うかは後から決める。 1.マージャン? 2 あのルーラー、かなり軽いな。 3 ライダー(孫悟空)は許さない。 4 間桐家で陣地作成を行うと思っていたがアインツベルン城も悪くない。 5 会場と冬木市の差異に興味。新都に行ったら色々と調べてみるのも一興。 [備考] ●孫悟空のクラスとステータスを確認しました。 クラス・ライダー、筋力B耐久B敏捷B+魔力D幸運A このステータスは全てキャスター(兵部京介)のヒュプノによる幻覚です。 ●キャスター(パピヨン)、バーサーカー(ヘラクレス)、アーチャー(赤城)、ルーラー(イチゴ)、セイバー(アルトリア)、セイバー(テレサ)、ライダー(五代)のステータスを確認しました。 ●この聖杯戦争を『冬木の聖杯戦争を魔術で再現した冬木とは別の聖杯戦争』だと認識しています。 ●キャスター(パピヨン)とイリヤへの好感度が下がっています。 ●マスターの人数が三千人、もしくはマスター千五百人サーヴァント千五百人程度だと思っています。 ●アリスに不信感を抱きました。 ●遠坂凛が自分の知っている遠坂凛ではないと気づきました。 ●アインツベルン城の情報を知りました。 ●ランサー(カルナ)の情報を入手しました。 ●柳洞寺で会談した結果、色丞狂介&キャスター(パピヨン)、ルーラー以外の情報並びにそれぞれの連絡先を共有しました。主に当事者以外のサーヴァントの情報でありこれには一部の聖杯戦争に関する情報も含まれます。またルーラーに大して言及を避ける暗黙の空気も共有されました。 【新都・冬木ハイアットホテル/2014年8月1日(金)1836】 【美遊・エーデルフェルト@Fate/kaleid liner プリズマ☆イリヤ】 [状態] 私服、疲労(微)、アサシン(千手扉間)、アーチャー(安藤まほろ)、ランサー(アリシア・メルキオット)、ランサー(真田幸村)へ魔力供給(サファイア)、覚悟完了。 [装備] カレイドサファイア@Fate/kaleid liner プリズマ☆イリヤ [残存令呪] 2画 [思考・状況] 基本行動方針 イリヤに自分の存在を知らせずに優勝させる。 1:誰が相手であろうと、絶対にイリヤは殺させない 2:イリヤなら、聖杯をしっかり使ってくれるはず。 3 対カルナの同盟に潜り込み内側から崩す……勝手に崩れそうだけど。 [備考] ●予選期間中に視界共有を修得しました。 しかしバーサーカーの千里眼が強力すぎるため長時間継続して視界共有を行うと激しい頭痛に見舞われます。 また美遊が視界共有によって取得できる情報は視覚の一部のみです。バーサーカーには見えているものが美遊には見えないということが起こり得ます。 ●セイバー(テレサ)の基本ステータス、ランサー(真田幸村)の基本ステータス、一部スキルを確認しました。 ●月海原学園初等部の生徒という立場が与えられています。 ●自宅は蝉菜マンション、両親は海外出張中という設定になっています。 また、定期的に生活費が振り込まれ、家政婦のNPCが来るようです。 ●バーサーカー(小野寺ユウスケ)の能力及び来歴について詳細に把握しました。 五代雄介についても記録をメモしていますが五代が参加しているとは思っていません。 ●冬木市の地方紙に真田幸村の名前と一二行のインタビュー記事が乗っています。他の新聞にも載っているかもしれません。 ●ランサー(カルナ)の真名、ステータス、スキル、宝具を確認しました。 ●ランサー イリヤ組と情報交換しました。少なくとももう一人のイリヤの存在を知りました。 ●アーチャー(まほろ)、アーチャー(ワイルド・ドッグ)、ランサー(アリシア)、キャスター(パピヨン)、アサシン(千手扉間)、ドクのステータスを確認しました。 ●ホテルにいる主従達と情報交換を耳にしました。 ●美遊・エーデルフェルトからサファイアを介して魔力供給を受けています。美遊から15メートル以内で実体化することでサファイアの匙加減で魔力を供給されます。 ●野比のび太、アーチャー(安藤まほろ)、色丞狂介&キャスター(パピヨン)、美遊・エーデルフェルト、高遠いおり&ランサー(アリシア・メルキオット)間で情報交換を行いました。 【高遠いおり@一年生になっちゃったら】 [状態] 魔力消費(極大)、衰弱(小)、精神的疲労(中)、まだまだ寝なくていい。 [装備] 貴重品の入ったランドセル。 [残存霊呪] 2画 [思考・状況] 基本行動方針 死にたくないし死なせたくない。 1.両面待ちしたいけどダメみたい。 2.アイツ(謎の猫耳サーヴァント(シュレディンガー准尉))、タクシー代払わなかったな。 3.いつか、ランサーに自分の『こと』を話す。 4.バーサーカーのマスター(イリヤ)が生きてて一安心。 [備考] ●所持金はタンス預金程度。 ●ランサーの名前がアリシア・メルキオットであること以外は世界大戦の英雄だということしか知りません。もちろん出身世界が違うことには気づいてません。 ●ランサー(幸村)、バーサーカー(サイト)、アサシン(扉間)、バーサーカー(ヘラクレス)のステータスと一部スキル、宝具を確認しました。 ●シュレディンガー准尉のステータスを確認しました。 ●ライダー(少佐)と同盟「枢軸」を組みました。再度同盟について話します。 ●ランサーから英霊・アリシアの情報の一部を聞きました。 ●アーチャー(まほろ)、アーチャー(ワイルド・ドッグ)、キャスター(パピヨン)、バーサーカー(小野寺ユウスケ)、ドクのステータスを確認しました。 ●ホテルにいる主従達と情報交換しました。 ●野比のび太、アーチャー(安藤まほろ)、色丞狂介&キャスター(パピヨン)、美遊・エーデルフェルト、高遠いおり&ランサー(アリシア・メルキオット)間で情報交換を行いました。 【アリシア・メルキオット@戦場のヴァルキュリア】 [状態] 筋力(5)/E、 耐久(5)/E+、 敏捷(10)/D+、 魔力(7)/C+、 幸運(50)/A、 宝具(0)/B 実体化、カジュアルな服装、全身の至るところを骨折・打撲、疲労(微)、魔力消費(大)、魔力不足によりステータス低下、美遊(サファイア)から魔力供給、宝具使用不可。 [思考・状況] 基本行動方針 まだ良くイオリのことを知らないけれど、マスターを生きて元の世界に帰す。 1 シュレディンガー准尉とそのマスター(少佐)とドク、アーチャー(ワイルド・ドッグ)、マイケル・スコフィールドを特に警戒。 2 ランサー(真田幸村)とアサシン(千手扉間)も油断できない。 3 『今度』はイオリのことを知りたい。 4.他の主従から反感を買わないように立ち回る。 [備考] ●マスターの本名が高遠いおりだと思っています。また六歳の女の子だと思っています。 ●バーサーカー(ヘラクレス)に半端な攻撃(Bランク以下?)は通用しないことを悟りました。 ●傷を若干治癒しました。 ●現代の家電が使えるようになりました。 ●いおりに英霊・アリシア・ギュンターについて一部の情報を話しました。 ●ホテルにいる主従達と情報交換しました。 ●野比のび太、アーチャー(安藤まほろ)、色丞狂介&キャスター(パピヨン)、美遊・エーデルフェルト、高遠いおり&ランサー(アリシア・メルキオット)間で情報交換を行いました。 【色丞狂介@究極!!変態仮面】 [状態] 疲労(中)、精神的疲労(大)。 [残存令呪] 1画 [思考・状況] 基本行動方針 聖杯戦争を止める。悪人をお仕置きする。 1.アーチャー(ワイルド・ドッグ)は、ドク達ともグル……? 2.もうホテルで陣地作成したり核金作ったりしてもらう。 3.下北沢のサーヴァント(サイト)は死んだのか。 [備考] ●核金×2、愛子ちゃんのパンティ、ワイルド・ドッグの服と携帯電話所持。 ●予選期間中にサイトの魂食いの情報を得ました。東京会場でニャースを見た場合、サイトの姿や声を知る可能性があります。 ●孫悟空のクラスとステータスを確認しました。 クラス・ランサー、筋力C耐久C敏捷A+魔力B幸運C このステータスは全てキャスター(兵部京介)のヒュプノによる幻覚です。 ●キャスター(フドウ)、バーサーカー(ヘラクレス)、アーチャー(赤城)、ルーラー(ミュウイチゴ)、アーチャー(まほろ)、アーチャー(ワイルド・ドック)、ランサー(真田幸村)、ランサー(カルナ)、シュレディンガー准尉、ランサー(アリシア)、バーサーカー(小野寺ユウスケ)、ドクのステータスを把握しました。 ●ホテルにいる主従達と情報交換しました。 ●マイケル&アーチャー、茜&ランサー、アサシン、ドク&少佐に不信を抱きました。 ●野比のび太、アーチャー(安藤まほろ)、色丞狂介&キャスター(パピヨン)、美遊・エーデルフェルト、高遠いおり&ランサー(アリシア・メルキオット)間で情報交換を行いました。 【キャスター(パピヨン)@武装錬金】 [状態] 筋力(20)/D、 耐久(30)/C-、 敏捷(30)/C、 魔力(40)/B、 幸運(50)/A、 宝具(40)/B 実体化したり霊体化したり。 [思考・状況] 基本行動方針 せっかくなんで聖杯戦争を楽しむ。 1.こっからが本番だ。 2.ホテル最上階で陣地作成。なんなら特殊核金も。 3.このホテル温泉あるのか。 [備考] ●予選期間中にサイトの魂食いの情報を得ました。東京会場でニュースを見た場合、サイトの姿や声を知る可能性があります。 ●気分で実体化したりします。 ●孫悟空が孫悟空でないことを見破っています。 ●マスターが補導されたのを孫悟空による罠と考えています。 ●アーチャー(まほろ)に興味があります。 ●ホテルにいる主従達と情報交換しました。 ●ホテル最上階のイサコと兵部京介の魔術工房を乗っ取りました。どのようなことが起こるかは不明です。 ●野比のび太、アーチャー(安藤まほろ)、色丞狂介&キャスター(パピヨン)、美遊・エーデルフェルト、高遠いおり&ランサー(アリシア・メルキオット)間で情報交換を行いました。 【アーチャー(安藤まほろ)@まほろまてぃっく】 [状態] 筋力(39)/B 耐久(27)/D 敏捷(49)/A 魔力(20)/B 幸運(150)/A++ 宝具(40)/B 実体化、右腕喪失(処置済)、霊核損耗(微)、魔力消費(大)、美遊(サファイア)から魔力供給、巨乳化、??? [思考・状況] 基本行動方針 マスター第一。 1.もう一人のアーチャー(ワイルド・ドッグ)を告発する。 2.変態仮面達とドクに恩義。ただしドクとそのマスターはアーチャー(ワイルド・ドッグ)と繋がっている可能性が濃厚なので警戒。 [備考] ●自宅内のガレージを中心に鳴子を仕掛けました。 ●ナノカ・フランカの左腕(令呪二画付)をクーラーボックスに入れて所持しています。 ●ホテルにいる主従達と情報交換しました。 ●マイケル&アーチャー、茜&ランサー、アサシン、ドク&少佐に不信を抱きました。 ●野比のび太、アーチャー(安藤まほろ)、色丞狂介&キャスター(パピヨン)、美遊・エーデルフェルト、高遠いおり&ランサー(アリシア・メルキオット)間で情報交換を行いました。 【野比のび太@ドラえもん】 [状態] さいなん報知器、軽傷(主に打撲、処置済み)、ひみつ道具破損 [残存令呪] 3画 [思考・状況] 基本行動方針 聖杯戦争を止めて家に帰る。 1.アーチャー(ワイルド・ドッグ)のことをみんなに教える。 [備考] ●ドラえもんの四次元ポケットを持っています。 ●野比のび太、アーチャー(安藤まほろ)、色丞狂介&キャスター(パピヨン)、美遊・エーデルフェルト、高遠いおり&ランサー(アリシア・メルキオット)間で情報交換を行いました。 【アサシン(千手扉間)@NARUTO】 [状態] 筋力(15)/C、 耐久(15)/C、 敏捷(25)/A+、 魔力(5)/B、 幸運(5)/E、 宝具(0)/EX 実体化、変化、気配感知、美遊(サファイア)から魔力供給、疲労(微)、魔力不足(極大)、魔力不足により宝具使用不可、魔力不足によりスキルに支障、魔力不足により全パラメーター半減、飛雷針の術の発動不可のため敏捷が+分アップしない。 [思考・状況] 基本行動方針 聖杯を用いて木の葉に恒久的な発展と平和を。 1.こやつらについて考え直さねばならんな。 2 ワイルド・ドッグからスーパーでの出来事について聞き出す。 3.あのサーヴァント(ルナ)、万華鏡写輪眼に九尾の人柱力、まさか…… 4.ランサー(カルナ)のマスターはーー。 5.三つの問題は一先ず後回しでよいだろう。 6.魂喰いの罪を擦り付ける相手は慎重に選定するがそれはそれとして早く魂喰いしないと。 7.穢土転生の準備を進める。 8.他の組の情報収集に務める。ランサー達は諦めた。 9.バーサーカー(ヘラクレス)は現在は泳がせる。 10.逃げたサーヴァント(サイト)が気になる。死んだか? 11.聖杯を入手できなかった場合のことを考え、聖杯を託すに足る者を探す。まずはランサーのマスター(日野茜)。 12.マスター(九重りん)の願いにうちはの影を感じて……? [備考] ●予選期間中に他の組の情報を入手していたかもしれません。 ただし情報を持っていてもサーヴァントの真名は含まれません。 ●影分身が魂喰いを行ないましたが、戦闘でほぼ使いきりました。その罪はバーサーカー(サイト)に擦り付けられるものと判断しています。 ●ランサー(アリシア)の真名を悟ったかどうかは後の書き手さんにお任せします。 ●バーサーカー(ヘラクレス)に半端な攻撃(Bランク以下?)は通用しないことを悟りました。 ●バーサーカーの石斧に飛雷針の術のマーキングをしました。 ●聖杯戦争への認識を改めました。普段より方針が変更しやすくなっています。 ●ランサー・真田幸村達とアーチャー・ワイルド・ドッグ達とフワッとした同盟を結びました。期限は8月8日です。またランサーのマスターがヒノアカネだと認識しました。 ●九重りん、ワイルド・ドッグ、アーチャー(安藤まほろ)、色丞狂介&キャスター(パピヨン)への印象が悪化しました。 ●三谷亘の令呪二画付の肉塊が封印された巻物を九重りんの私物に紛れ込ませました。 ●ランサー(カルナ)の戦闘を目撃しました。 ●イリヤ(kl)の髪の毛を入手しました。日野茜の病室に保管されています。 ●ルナをサーヴァントと、うず目を万華鏡写輪眼と、妖力を九尾のチャクラと誤認しました。 ●美遊に対カルナの同盟について嘘をつかない範囲で婉曲的な説明をしました。やたらと「これから更なる同盟相手を増やすために活動していた同盟相手と情報交換するために冬木ハイアットホテルに行く」ということをアピールしました。 ●ホテルマンの一部を幻術の影響下に置きました。 ●美遊・エーデルフェルトからサファイアを介して魔力供給を受けています。美遊から15メートル以内で実体化することでサファイアの匙加減で魔力を供給されます。 【九重りん@こどものじかん】 [状態] 精神的ショック(大)、手足に火傷(ほぼ完治)、覚悟? [装備] 着替え、名前のストラップ [残存令呪] 3画 [思考・状況] 基本行動方針 聖杯戦争で優勝を目指す。 0.??? 1.強くなりたい。 2 アサシンへ(千手扉間)の魔力供給がつらい。 [備考] ●予選で入院期間が長かったためか引き続き入院しています。 【ランサー(真田幸村)@戦国BASARAシリーズ】 [状態] 筋力(40)/B、 耐久(40)/B、 敏捷(30)/C、 魔力(30)/C、 幸運(30)/C、 宝具(40)/B、 疲労(大)、魔力消費(大)、骨にひびと内蔵にダメージ、ダメージ(大)、美遊(サファイア)から魔力供給、安堵と屈辱と無力感、そして茜への責任感。 [思考・状況] 基本行動方針 強敵たちと熱く、燃え滾る戦を!!だが‥‥ 1 アーチャー(ワイルド・ドッグ)の汚名を灌ぎたい。 2 ドクに恩義。 3 ますたぁ(茜)に聖杯戦争について伝えたが……どうしてこうなった。 4 ますたぁへの申し訳なさと不甲斐ない自分への苛立ち。 5 俺は…… 6 せいばぁ(テレサ)、ばあさあかぁ(小野寺ユウスケ)との再戦を考えていたが……? [備考] ●ランサー(アリシア)のクラスをアーチャーと誤認してたことに気づきました。 ●ランサー(アリシア)の真名を悟ったかどうかは後の書き手さんにお任せします。 ●アサシン(千手扉間)を忍のサーヴァントだと考えています。 ●冬木市にランサーの噂が立ちました。『アイドルの関係者』、『映画の撮影』、『歌舞伎』、『うるさい』、『真田』といった単語やそれに関連した尾ひれのついた噂が広まり始めています。地方紙で報じられています。 ●ランサー(カルナ)の戦闘を目撃しました。 ●アサシン(千手扉間)への警戒心が薄れました。 ●爆破予告を知りました。 ●ランサー・カルナの真名を把握しました。 ●ホテルにいる主従達と情報交換をしました。 ●アーチャー(まほろ)、狂介&キャスターに不信を抱きました。 【日野茜@アイドルマスターシンデレラガールズ】 [状態] 体調不良、頭にタンコブ(応急処置済)、??? [残存令呪] 2画 [思考・状況] 基本行動方針 聖杯戦争はサーヴァント同士の格闘技!だと思ってたけどマスターも頑張らないと!! 1 .聖杯戦争という企画を頑張る! 2.アーチャー(ワイルド・ドッグ)さんの誤解を解く。 3.アサシンさん(扉間)がとってきた映像をアップロードする……視聴者参加型なのかなやっぱり。 [備考] ●予選期間中他のマスター、サーヴァントと出会うことはありませんでした。 ●月海原学園高等部の生徒という立場が与えられています。 所持金は高校生相応の額となっています。 ●自宅は深山町のどこかです。 ●セイバー(テレサ)、バーサーカー(小野寺ユウスケ)の基本ステータスを確認しました。 ●気が動転していたため、ランサー(アリシア)、バーサーカー(サイト)、バーサーカー(ヘラクレス)のステータスを確認できていないかもしれません。 ●冬木市にアイドル・日野茜の噂が立ちました。『アイドル』、『撮影』、『外人』などの単語やそれに関連した尾ひれのついた噂が拡がりはじめています。 ●病院の特別病床に入院しました。病室のある階に立ち入るにはガードマンのいる階段を通るか専用のIDカードをエレベーターにタッチする必要があります。 ●聖杯戦争を番組の企画だと考えたり考えなかったりしました。とりあえず今後自分が常にカメラに撮られていると考え視聴率が取れるように行動します。 ●ランサー(カルナ)の戦闘を目撃しました。 ●スマホにアサシン(千手扉間)が病院を出てから帰ってくるまでの映像があります。写っているのはランサー(カルナ)、ランサーのマスターのイリヤ、キャスター(兵部京介)です。 ●爆破予告を知りました。 ●病室のベッドの下にアーチャー(ワイルド・ドッグ)が仕掛けた爆弾を発見しました。数名の病院関係者がこの事を知っています。 ●ホテルにいる主従達と情報交換をしました。
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おかえり聖杯戦争◆wd6lXpjSKY 夜の街を駆け抜ける二つの影。 夜科アゲハは奥歯を噛み締め、月に照らされながら北を目指していた。 靴裏とアスファルトの擦れる音が耳に残る中、彼は自分の記憶に振り回される。 「呑気に寝ている場合じゃねえ……!」 起床時には学園の崩壊という一報に驚き、覚醒せぬ頭では思考が回らなかった。 異形の化物の襲来により、考えるよりも先に身体が動いていた。 戦場へ向かう真っ最中であるが、火蓋が切って落とされるのは数刻先である。故に脳に安らぎの一時が生まれていた。 夜科アゲハの記憶に差し込まれるは主催者――天戯弥勒の声だった。 時計の針が十二と重なりし瞬間、彼の声が聖杯戦争の参加者に届いていたが、肝心の夜科アゲハは瞳を閉じ、寝てしまった。 「アサシンの脱落――人吉のとは別のサーヴァントが落ちた。 変な化物が動いていることを考えれば、昼よりも他の奴らが活発になっているのは明らかじゃねえか……っ!」 目覚めと同時に記憶に混在する天戯弥勒の声はやけに透明だった。 聞いていない言葉は間違いなく不純物である。他人に記憶を改竄されたような、一種のトランスに陥ったとも捉えられる。 しかし、感じぬ違和感が夜科アゲハの心を静かに侵食する。まるで聖杯戦争の記憶を自然と理解していた始まりと同じ感覚である。 「学園がぶっ壊れたってのはフェイクの可能性もあるが……テレビでやってんならマジだよな。 巨人がいたのも多分……今更俺らより馬鹿デケえ奴がいたって、ロボットが出ても不思議だなんてことはありえない」 太陽が昇っている間に通っていた学園の崩壊は、偽りの学び舎ながら夜科アゲハの興味を惹くには十分過ぎる情報だった。 複数の聖杯戦争参加者が集う規格外の火薬庫が弾け飛んだ。そう考えれば理解し難い話ではあるまい。 問題は戦闘が行われていたことである。彼は全てのマスターやサーヴァントと出会った訳ではない。 未だ見えぬ脅威、或いは仲間になり得る存在かもしれないが、何よりも圧倒的な情報不足である。 寝ていた自分を殴りたい気持ちに駆られ、過去に飛べるならば睡眠を妨害していただろう。 そして極めつけは―― 「俺は――落ちる前に全てを片付けてやる」 夜空を見上げれば満月が世界を嘲笑っていた。 天戯弥勒の言葉の幕切れは比喩でも無ければ、詩的に表した訳でも無かったのだ。 偽りないその意味は月が世界の崩壊を物語っていた。彼曰く聖杯戦争のリミットである。 世界の終わりが見えたこと。 聖杯戦争に新たな脱落者が現れたこと。 アッシュフォード学園が崩壊してしまったこと。 謎の巨人が現れたこと。 地震や津波の類が発生していること。 異形の化物が現れたこと。 ――金のキャスターの手先が接触してきたこと。 眠気を吹き飛ばすには充分だろう。 脳に叩き込まれた多くの情報が夜科アゲハの脳を刺激し、彼の意識を覚醒させる。 次に自分が行うべき行動は何か。場所は、敵は、味方は、天戯弥勒は――人吉善吉は。 大地を蹴り上げる足に自然と力が籠もる。 肌で風を切り、ちらほらと視界に入り込む通行人を避け、着実に北へ向かう。 金のキャスターによって操られた人間が怯えていたのは何故なのか。 幾つかのパターンが考えられるが、夜科アゲハの思考は唯一つの答えを最速で弾き出していた。 不敵な笑みを浮かべ、少々ではあるがこんな答えに満足してしまう自分に恥ずかしさをも覚えてしまう。 「辿り着けば、全てがわかるんだよ……!」 などと、思考を放棄出来ればどれだけ楽だっただろうか。 言葉では簡単に吐き捨てるが、彼の脳内は未だに出口の見えない迷路を彷徨っている。 情報の処理と理解を締め付けるは寝ていた自分への愚かさである。 少しでも動いていれば――状況は全てが変わっていたかも知れない。 彼は全てを知らず、未来の海賊王が固有結界を発動したことも、とある世界の頂点と天使と悪魔の世界に踏み入った二番手の決戦も。 世界の壁を超越した対立も、全てに出遅れている。彼がその事実に辿り着くことは無いが、取り残される感覚だけが心を埋め尽くす。 故に少しでも前へ。 北上すれば人吉善吉や金のキャスターとの接触する可能性が高い。 月が世界に迫ろうが、夜科アゲハの行動は変わらず、彼は己の為すべきことを――天戯弥勒の元へ辿り着け。 「そこら辺から盗ん……拝借してきたぜっ! 早く後ろに乗りな!」 考え事に夢中になっていたのか、夜科アゲハはバイクが並走するまでエンジン音にすら気付かなかったようだ。 横目を流せば相棒であるセイバー纏流子がヘルメットも被らずに、じゃじゃ馬に跨っていた。 窃盗に注意する筈もなく、夜科アゲハは右足を振り上げ宙へ跳び、纏流子が待ってましたと言わんばかりに軽くブレーキを握り締めた。 彼らは所謂、不良の類。窃盗の一つや二つ、違法走行程度に口を挟む人種とは掛け離れた存在である。 「飛ばしてくれ! 俺達の出遅れた分を一気に回収してくれ!」 「言われなくても飛ばしてやるさ、舌を噛むなよ手を離すなよ? そんじゃあ――飛ばすぜぇ!!」 夜科アゲハが後ろに跨った瞬間、バイクは唸りを上げ一瞬でフルスロットルへ。 アスファルトに焦げ付くは彼らの思いか、溢れ出る熱を表現するかのようだった。 「昼も大概だったけどよ、夜になると一層暴れてやがる」 「なあ纏、アサシンが脱落したって話だけど、他に何体のサーヴァントが落ちたと思う」 「あー……知らねえな。エスパーじゃねえし。でも、確実に他の奴もくたばってるさ」 「一応聞くけど、根拠はあるのか?」 「――しっかり捕まってろ、ちょいとこっちも暴れるぜ」 マスターの問を中断し、サーヴァントたる纏流子はハンドルを傾ける。 身体を襲う衝撃に夜科アゲハは顔を歪め、文句の一つでも言い放とうとした瞬間だった。 先程まで走っていた地点に何かが降って来た。 ハンドルから離れた纏流子の右腕が掴むは紅き鋏の片割れ――片太刀バサミ。 その刀身はハサミの冠に似合わず刀と同義かそれ以上。月夜を反射し紅に纏流子の鋭い瞳が浮かび上がる。 「ん~、誰だお前?」 不気味な襲来者を夜科アゲハは壊れた人形のような存在だと感じ取る。 人間を型どってはいるが、疎らに歪な造形、見た者を不安にさせるような表情や挙動。 寝起きの襲撃者はどこかファンタジーやメルヘンらしさを匂わせていたが、今回は違う。 生理的な恐怖や悪寒を引き立たせる存在は、奥に製作者の顔を覗かせているようにも感じてしまう。 「お前が誰だって話じゃねえかぁ!!」 空から降って来た人形が地面に着地する寸前の出来事である。 纏流子は片手運転で器用に体勢を整えたまま接近すると、空いた右腕を空へ伸ばす。 握られた片太刀バサミが振り下ろされ、人形はあっという間に一刀両断。 バイクが道路を走り抜け、からんころんと飛び散った部品が大地を転がる音だけが人形の結末を演出する。 「……なんなんだよ、あいつ」 「さあな。どうやら人違いっぽいから誰かを狙ってたみたいだったけどな」 「喋る服に戦国武将に悪魔に人形か……なんでもありだよな」 「わけが分からねえのがサーヴァントみたいなところあるからな」 あの人形はサーヴァントじゃないからな。 そう付け加えた纏流子は一切振り向かずにバイクを走らせる。 襲撃者は確実に誰かを狙っていた。それは恐らく創造主に命令されていたのだろう。 推測ではあるが魔力に反応しこちらを襲って来たのだろうか。 真実を包む闇を晴らすのは現状じゃ不可能だ。だが、下っ端を使役し暗躍している存在は認識した。 人形を使役するサーヴァント――話に聞いていたキャスターであろう。 金のキャスターとは異なる存在に纏流子は遭遇しておらず、ランサーである前田慶次らからの又聞きでしか把握していない。 しかし、碌でもない人物であることは確かであり、キャスターの英霊は揃いも揃って悪趣味な連中なのだろうか。 ふと夜空を見上げれば月。 生前の纏流子は大気圏を突破し宇宙へ到達したことを思い出す。 最悪の結末を迎える前に自分が正面から破壊することも視野に入れるべきだろうか。 などと考えていると、必要以上に黙るマスターに気を取られてしまいため息を零す。 「睡眠も大切だって」 「……うるせえ」 「出遅れた感じはあるけどよ、目的はドンパチすることか? 見境なしに喧嘩をふっかけることか? 違うよな」 いつまでもくよくよすんな、らしくない。 そう言葉を投げ、纏流子の笑いが風に流れて後方へ。 「絶対に姉キのところへ帰るんだろ? だったら止まらねえで、やることがあんだろ」 振り向いた彼女の口から歯が覗き、無邪気な笑顔を見れば夜科アゲハは考えることが馬鹿らしくなっていた。 最も自分のやるべきことを見失ってもいなければ、落ち込んでいた訳にも非ず。ただ、ケジメが必要だった。 睡眠の選択は戦局を長い目で見据えれば悪い訳ではなく、体力温存の面から考えれば最善の可能性すらある。 結果的に人吉善吉の捜索を打ち切ったこと。言い換えればダチを見捨てたことが、夜科アゲハの心を静かに苦しめていたのかもしれない。 「そうだな……あぁ、そうだよな。 さっさと行こうぜ。俺にはやらなくちゃいけないことがまだまだあるんだ……こんなところじゃ止まれねえ」 「全くだ。これまで散々寝てた分を取り返してやろうぜ! 盛り上がっているところに悪いが、まだあたし達がいるんだよ」 人知れず輪から取り残された彼らがバイクに跨がり夜を駆け抜ける。 舞台を照らす灯りが増え、カーテンの切れ間から覗く役者も舞台に躍り出た。 だが、彼らが残っている。参加者にして唯一、主催者たる天戯弥勒を知る彼が残っているのだ。 之より戦場に帰還するは一人の男。 夜科アゲハ――沈黙を破り、再び舞台の上で踊り狂う。 【B-4/二日目・未明】 【夜科アゲハ@PSYREN-サイレン-】 [状態]魔力(PSI)消費(小) [装備]なし [道具]グリーフシード×1 [思考・状況] 基本行動方針:聖杯戦争を勝ち抜く中で天戯弥勒の元へ辿り着く。 1.北上し、地震の原因と金のキャスター、人吉を探す。 2.地震が人為的なものでなく、危険を感じたら避難する。 [備考] ※ランサー(前田慶次)陣営と一時的に同盟を結びました ※セイバー(リンク)、ランサー(前田慶次)、キャスター(食蜂)、アーチャー(モリガン)、ライダー(ルフィ)を確認しました。 ※ランサー(レミリア)を確認しました。 ※キャスター(フェイスレス)の情報を断片的に入手しました ※『とある科学の心理掌握(メンタルアウト)』により、食蜂のマスターはタダノだと誤認させられていました。 ※アーチャー(モリガン)と交戦しました。宝具の情報を一部得ています ※グリーフシードを地球外由来のもの、イルミナに近い存在と推察しています。 【セイバー(纒流子)@キルラキル】 [状態]魔力消費(中)疲労(小) [装備]バイク@現地調達 [道具] [思考・状況] 基本行動方針:アゲハと一緒に天戯弥勒の元へ辿り着く。 1.北上し、地震の原因と金のキャスター、人吉を探す。 2.地震が人為的なものでなく、危険を感じたら避難する。 3.キャスターと、何かされたアゲハが気がかり 4.アーチャー(モリガン)はいつかぶっ倒す [備考] ※セイバー(リンク)、ランサー(前田慶次)、キャスター(食蜂)、アーチャー(モリガン)、ライダー(ルフィ)を確認しました。 ※間桐雁夜と会話をしましたが彼がマスターだと気付いていません。 ※キャスター(フェイスレス)の情報を断片的に入手しました ※アゲハにはキャスター(食蜂)が何かしたと考えています。 ※アーチャー(モリガン)と交戦しました。宝具の情報を一部得ています BACK NEXT 067 We go! ……and I m home 投下順 069 とある少女の前奏曲 067 We go! ……and I m home 時系列順 069 とある少女の前奏曲 BACK 登場キャラ NEXT 064 きっとどこかに繋がる世界 夜科アゲハ&セイバー(纏流子)
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開催予定 事件簿式セッション 企画中 21 00~ トレーラー 「では、聖杯戦争を始めましょう」 2004年、冬木。 マキリ、アインツベルン、遠坂の主導により開催された5回目の"聖杯戦争"は、大聖杯の破壊により閉幕。 その10年後、魔術協会は大聖杯の解体を提案。 遠坂当主とロード・エルメロイⅡ世により執り行われた。 しかし、大聖杯解体に関与したとある魔術師により、聖杯戦争の儀式詳細の一部が外部へと拡散。 早々に手は打たれたが、儀式について細々と研究を続ける外部魔術師にとって、これは好機であった。 そして2024年。 その体系の限定的な模倣に成功したと語る魔術師の家系が、銀音(しろがね)市において聖杯戦争を執り行うことを宣言。 同地に集められた7人による、"聖杯"を巡る戦いが此処に幕を開けた――。 ハウスルール ルール記載サイトの『サーヴァント』に記述のあるクラスは使用可能。 参加者間でのクラス被りあり。 1つ以上の令呪、もしくは6以上の英雄点を使った【スキル】は禁止(クラススキルを除く)。 2つ以上の令呪、もしくは6以上の英雄点を使った【宝具】は禁止(令呪1つ+英雄点5点も不可)。 【宝具】を3つ以上持ったサーヴァントは禁止。 同様の効果のスキルを2つ以上持ったマスターは禁止。 その他、ルールに沿ったシートであれば基本的に許可。 また本世界線は、コミュニティで行われている各日帰り卓、及び『パルニング・オーダー』とは無関係の並行世界におけるものである。 そのため、この世界戦におけるセッションは「銀音聖杯戦争参加経験を持つキャラ」及び「新規作成、且つ別時空における聖杯戦争参加をしないキャラ」に限られる。 「別世界線の同一キャラ」などは可能だが、明確な時代背景・年代設定があるため注意されたし。 セッションログ 第一次 https //ux.getuploader.com/onsenfatetrpg/download/58 世界観 この世界戦において、基幹となるおおよその設定は「Fate/stay night [Heaven s Feel]」の真エンディング(桜ルート)に準ずる。 大聖杯は機能を停止し、のちに時計塔の勢力により完全に解体された。 故に、通常の聖杯戦争どころか「小規模の亜種儀式」すら起こりえない世界となっている。 但し、公式での言及の通り、「聖杯戦争」と呼ばれるモノ自体は冬木のような形式をとらずとも開催可能。 (例として、聖杯と名の付くモノを争うオークションがそれに該当する) 認識として単に「英霊を使い魔とするサーヴァント・システムを有する聖杯戦争は実現が難しい」であり、「行うにはそれこそ第三魔法に近しいナニカが必要」となる。 +歴史 2004年の2月、日本の冬木市で5回目となる「冬木聖杯戦争」が行われた。 本来、「マキリ、遠坂、アインツベルン」の御三家により設置された大聖杯は起動に60年を要するが、前回から僅か10年という異例の期間で開催される。 この儀式は過去4回に比べマスターの平均年齢が最も若く、また過去最強のサーヴァント達が集うものであった。 詳細情報は伏せられているが、勝利者はセイバーとそのマスターであるとされ、結果として大聖杯は機能を破壊されている。 第五次冬木聖杯戦争による敗北により、アインツベルンが第三魔法の成就を諦めたため、機能を停止した聖杯は放置された。 ところが10年後の2014年、これを横取りしようとした者たちが冬木へ渡り、大聖杯の復活を画策していた魔術協会の勢力と衝突。 のちに「冬木聖杯解体戦争」と呼ばれる大騒動が起こる。 事態をいち早く察知した時計塔の現代魔術科学部長「ロード・エルメロイⅡ世」と、冬木の御三家である遠坂家当主「遠坂凛」が戦争に介入。 また聖堂教会からも代行者が派遣され、時計塔法政科も裁定者として「シャルル・ヴァロア」を送り込むなど、事態はさらに拡大した。 最終的に大聖杯は完全に解体され、冬木の地における聖杯戦争の歴史はここに終結した。 2019年、冬木聖杯解体戦争の当事者を名乗る男が、ある文書を魔術師たちに公開する事件が起こる。 『大聖杯の設計図(ブループリント)』と呼ばれたそれは瞬く間に拡散され、極東の儀式を認知していた魔術師たちに衝撃を与えた。 幸いこの文書を解読できたものは居なかったものの、魔術協会は対応を迫られることとなる。 結果として協会はその男を捕縛し処罰、拡散された文書の9割を回収することに成功した。 しかし、男の証言から推測される残りの1割は未だ見つかっておらず、現在でも秘密裏に調査を続けている。 そして現在、2024年の秋に、再び魔術師社会を震撼させる事件が発生する。 数年前に別の事件で滅びたと目されていた家系「ソブレト」が、『大聖杯の設計図』の解読及び大聖杯の模倣成功を大々的に告知。 同時に聖杯戦争の開催を宣言、自身を監督役とした儀式を、銀音市という街にて執り行う運びとなった。 事態を重く見た協会は使者を派遣。 聖堂教会も同様に代行者を送り込み、各地から集められた魔術師を含め7人のマスターとサーヴァントにおける儀式が行われた。 この戦争の勝利者はライダーとそのマスターで、冬木とは異なる点として「願いの成就が明確であった」と証言されている。 また、冬木の御三家が目指していた根源への接続は行われなかった。 依然ソブレトの目的や聖杯模倣の手段は明らかになっていないものの、上述の理由もあり、戦争終了後の両組織は静観の構えを見せている。 人物 タルク・ソブレト 【年齢】15歳 【性別】女性 【所属】未所属(ソブレト家現当主) 数年前に起こった「ソブレト襲撃」と呼ばれる事件の唯一の生き残りにして、現ソブレト家の若き当主。 拡散された『大聖杯の設計図』の解読者を自称し、日本の銀音市という街を舞台とした聖杯戦争の開催を宣言した。 そのため魔術協会から目を付けられているが、秘密裏に送り込まれた使者を難なく撃退している。 詳細情報が全くないために噂話の域であるが、彼女が死徒であると証言する者も居るという。 ロード・エルメロイⅡ世 【年齢】49歳 【性別】男性 【所属】魔術協会(時計塔・現代魔術科) 時計塔におけるロードの一人。 本名ウェイバー・ベルベット。 魔術の腕はお世辞にも良いとは言えないものの、特筆すべきは教師としての辣腕。 「教えるもの」としての才能が時計塔内でも群を抜いており、彼の教え子はその全員が大成している。 冬木聖杯解体戦争において遠坂家当主と協力し、過去の経験や類稀なる知識を以て各勢力を抑止、結果的に大聖杯の解体を成し遂げた。 遠坂凛 【年齢】37歳 【性別】女性 【所属】魔術協会(遠坂家当主) 冬木聖杯戦争の御三家、遠坂家の当主。「宝石科の災厄」「赤い悪魔」など様々な異名を持つ魔術師。 第五次冬木聖杯戦争の生き残りであり、魔術師としては破格の才能を持つことから魔術師社会でもかなり名のある人物。 2021年に中東にて処刑された革命家「衛宮士郎」の師であるとされており、本人もこの件についていくらかのアクションを起こしていた。 希少なアベレージ・ワンを持つため封印指定候補であったが、ロード・エルメロイⅡ世の口添えによりそれを免れており、返礼として度々現代魔術科の教壇に立っている。 シャルル・ヴァロア 【年齢】39歳 【性別】男性 【所属】魔術協会(法政科) 冬木聖杯解体戦争において法政科が送り込んだ裁定者。 同戦争における擬似的な調停役を任されていた。 「銀の天秤(ラ・バロンス)」と呼ばれていること以外は一切の詳細が不明、解体戦争当事者の中でも特に謎の多い人物として扱われている。 そのため「シャルル・ヴァロアという名すらも偽名ではないか?」と疑われている。 同じ当事者である遠坂凛は「ニュートラル、という言葉がこれほど相応しい奴も居ない」と言及している。 その他の設定 銀音市 しろがねし。 関東地方の中部に存在する、特に目立ったところのない街で、人口は約九万人程度。 名産品は野菜等を推しているが余り成果が芳しくなく、近年は区画整理事業による宅地化が進んでいる。 但し「居住区」としてはかなり良条件であり、生活に必要なものは街を出ずともたいてい手に入る。 最近は私鉄も敷設されたが、都内へ出ることも容易になったと住民からはおおむね好評。 市の中央部には神社があり、毎年夏に市を挙げた納涼祭が開催されている他、年始には市外からもそれなりの数の参拝客が訪れる。 魔術的観点からみた場合、この神社は霊地としてかなり優良。 そのため一世紀ほど前よりソブレト家が管理しており、聖杯戦争における小聖杯の降臨地としても選ばれた。 ソブレト家 ブリテンを祖とし、王家の血筋を僅かながら引き継ぐ旧い魔術師の家系。 専門は結界魔術。 一部の分野で特許を取得しており、魔術協会の中にもソブレトが考案した結界魔術を使用する者がいる。 一世紀ほど前に日本に帰化し、細々と魔術の研究を進めてきたが、2年前に何者かの襲撃に逢う(ソブレト襲撃事件)。 一族は当主の娘であるタルク・ソブレトを除きほぼ全滅しており、魔術師社会は「すでに滅亡した家系」として扱っている。 その上で、旧く歴史のある家でもあったためか、当時は傀儡としようと画策する幾つかの勢力が水面下での争いを行っていた。 しかし、生き残りであったタルクが突如としてその争いに終止符を打つ。 全ての勢力を駆逐した上、『大聖杯の設計図』解読による術式の模倣に成功したと大々的な告知を行った。 また、銀音市を舞台とする「聖杯戦争」の開催を宣言し、7人のマスターとそのサーヴァントを呼び寄せ儀式を執り行う。 その目的、真相は不明。 魔術協会及び聖堂教会は現在のところ静観の構えだが、同家が実質的な火薬庫となっているのは言うまでもない。 『大聖杯の設計図』 ブループリント。 冬木聖杯解体戦争に携わったとある男が記し、巨大な売り文句と共に拡散させた文書。 絶対数が少ないため内容は僅かにしか知られておらず、解読者も現状判明している限りでは一人しか居ない。 冬木市の聖杯戦争における「大聖杯」の術式が記されていると一説には言われており、それが通称の由来となっている。 眉唾であるという者、第三魔法に至る手がかりであるという者、世界を変える代物であるという者など、情報の不足と錯綜が魔術師社会を惑わせた。 更に、著者である男は既に魔術協会に「処罰」されており、その真相を聞き出すことは出来ないという状況にある。 現存する9割以上を魔術協会が所有しているが、残る数部の行方は未だに知られていない。
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MHFランス一覧 MHFランス一覧派生1 派生1 武器1 ┗武器2 名称 価格 攻撃力 特殊効果 切れ味 会心 スロット 生産素材強化素材 作成条件 z % --- 位 z % --- 位
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ズッコケ二人組と一匹~聖杯戦争から脱出せよ~ 「なあライダー、こんなとこに何があるんだよ?」 「まあ慌てるでない、ついてくればわかる」 少年探偵・金田一一とそのサーヴァント・ライダー。 二人は自己紹介を済ませた後、最初に降り立った柳洞寺の境内を調べに………行くことはせず、山門の横の茂みの中を歩いていた。 運動が得意ではない金田一だが、その足取りは決して重くはない。 普段から旅行などで山道を歩く機会が多く、身体が慣れてしまっているからである。(もっとも、その旅先で毎度のように殺人事件に巻き込まれるのだが) 「ふむ、ここらでよかろう」 ある程度開けた場所に出たところで、ライダーは立ち止まった。 しかし、金田一から見て、何か特筆すべきものがあるようには見えない。 「ここったって……別に何もないぜ?」 「いやいや、何もない場所だから良いのだ。今からすることを考えればな」 そう言って、ライダーは懐から白い教鞭のようなものを取り出した。 先端に陰陽のマークのような球体が付いているのが印象的だった。 そして、ライダーは咳払いをしてから、真剣な表情で語り始めた。 「金田一、おぬしは知略を駆使して戦うタイプの人間だ。 しかし、それを生かすには適切な情報が必要不可欠。 故に、まずは知らねばならん。 おぬしが巻き込まれた、この聖杯戦争の知識をな」 「………ああ」 確かにライダーの言う通りだ。 殺し合いを止めようにも、そのために必要な情報を理解していなければ立ち行かない。 金田一もまた、気持ちを切り替えて真剣にライダーの説明を聞き始めた。 「まずは目を閉じて、意識を集中するのだ。 おぬしにとって最もイメージしやすい形でわしのサーヴァントとしてのステータスが見えてくるはずだ」 言われた通り、目を閉じると、ライダーの能力らしきものが浮かんできた。 【クラス】ライダー 【マスター】金田一一 【真名】太公望 【性別】男性 【身長・体重】不明 【属性】中立・善 【筋力】D 【耐久】D 【敏捷】C 【魔力】B+ 【幸運】A+ 【宝具】?? どうやらライダーは身体能力で少々劣るサーヴァントらしい。(その代わり魔力や幸運は優れているようだが) 「今は最低限の情報しか見えぬであろうが、いずれは全ての情報が開示されるはずだ。 それと、目視さえすれば他のサーヴァントの情報も分かるようになっておる。 常にチェックしておくのだぞ」 「ああ、わかった。ところで、宝具ってのがステータスに載ってたんだけど、宝具って何なんだ?」 素直に疑問を口にする。 名前の響きからして、重要そうな部分だとは思うのだが、ライダーのそれは今の金田一にはまだ読み取れなかった。 「うむ、宝具とは、サーヴァントにとってのシンボルであり、半身のようなものだ。 宝具の種類にも色々あるが、まあ今は必殺技のようなものだと思っておけば良い」 そして、ライダーは先ほどの教鞭のようなものをこれみよがしに掲げた。 「例えば、わしの宝具のうちのひとつがこの打神鞭だ。 これは、大気を自在に操る宝具だ、ほれ、このようにな」 「うわっ!?」 ライダーが打神鞭を振ると、金田一とライダーの間に猛烈な風が発生した。 それは金田一にも目視できるほど濃密な風のうねりであり、その勢いに思わず尻餅をついてしまった。 「す、凄いんだな、宝具って………」 「何を言っておるのだ、今のはわしにとってはほんのそよ風に過ぎん。 本気で撃てば、この山など軽く吹き飛ぶぞ」 しれっととんでもない事を口にするライダーに、金田一は頬が引き攣るのを止められなかった。 そんな彼を他所に、ライダーは手近かな地面に向かって打神鞭を振りかぶっていた。 その顔には邪悪な笑みが浮かんでいる。 嫌な予感しかしない。 その予感は果たして的中し、ライダーは打神鞭を振り下ろし、掘削機の要領で地面に穴を掘り始めた。 「わーっはっはっはっはっはっは!!」 「ちょ、ここって私有地じゃ……」 「はーっはっはっはっはっは!!」 「いや、だからやめ……」 「はーっはっはっはっはっはっは!!」 金田一の制止など気にも留めず、ライダーは不気味な高笑いを上げながら地面を掘り進めていく。 そして、数メートルほど掘り進めたところで、満足したのか手を止めた。 こんな穴を作ってどうするつもりなのか、金田一には見当もつかない。 「どうすんだよ、こんな事して。 寺の人に怒られるんじゃあ………」 「固いことを言うでない。 それより、ここからが本番だ。 この打神鞭に付いたスイッチを…ポチっとな」 そう言うや否や、打神鞭から旗のようなものが飛び出した。 「これぞわしの第2の宝具、杏黄旗だ!」 ライダーは非常に誇らしげだ。 旗が飛び出た時キコキコキコーンという謎の擬音が聞こえたような気がしたが、多分気のせいだろう。 ステータス欄が更新されたことから、残念なことにこれは本当に宝具らしい。 「な、何だその目は! これは戦略上とても重要な宝具なのだぞ!」 金田一の可哀想な人を見るような視線に耐えかねたのか、ライダーが声を張り上げた。 「いや、でもそれ………旗だろ?」 「ただの旗ではない!この布は魔力の受信機のようなものだ。 本来はこういう使い方をするものではないが、まあ聖杯戦争に合わせた仕様変更というやつだ。 この布を半分ほど破って……今掘った穴にポイっとな」 そう言って半分に破った杏黄旗の布を穴に投げ入れると、ライダーは何やら呪文のようなものを唱え始めた。 その顔は真剣そのものであり、決してただのお遊びではないことを伺わせる。 数十秒後、詠唱を終えたライダーは金田一の方に向き直った。 「実は、今わしらがいるこの円蔵山は、自然の魔力が集まる霊脈と呼ばれる場所なのだ。 わしの杏黄旗は、そういった土地に敷設することで、本体である打神鞭に魔力を供給する仕組みになっておる。 わざわざ獣道を通ってここに設置したのも、馬鹿正直に敷地の真ん中に埋めては戦闘の余波で破壊されてしまう可能性が高かったからだ」 「そうだったのか………。 でもこの穴、どうすんだ?そのままってわけにもいかないだろ?」 「うむ、それについてもわしにいい考えがある。 というわけで、カモーン!スープー!」 ライダーが天に向かって指をパチンと鳴らすと、煙とともに何かが現れた。 それは不思議な生き物だった。 ティーカップの皿のように大きくつぶらな瞳、ふわりとしたたてがみ、頭に生えた二本の角。 全体的に丸みを帯びたシルエットは、金田一に昔幼馴染と共に見たとあるアニメを想起させた。 「こやつがわしの霊獣にして相棒の四不象だ。 わしがライダーのクラスで現界している所以でもある」 「す、すっげえ……!」 金田一は目を輝かせながら四不象に見入っていた。 生前はその外見から侮られることが多かっただけに、四不象はとても誇らしげな表情、いわゆるドヤ顔状態になっていた。 「空飛ぶ白いカバだ!」 その場の空気が凍りついた。 普段なら四不象がカバ呼ばわりされてもニヤニヤしながら見守るだけのライダーも、金田一のあまりの悪気のなさに 流石に気まずくなり、フォローを入れようとする。 しかし、遅かった。金田一は四不象にアイルランドの光の御子が愛用する因果逆転の魔槍の如き威力の 言葉の暴力を(本人に全く悪気は無いが)次々に浴びせていく。 「うっわぁ~、本当にすげえ!ムー○ンみてえ! そういや美雪があれのぬいぐるみ持ってたよな~。 あ、お手」 「あ、いや、金田一。そやつは……」 四不象はすでに俯いてプルプルと震えているのだが、金田一は全く気がついていない。 そして…… 「ボ、ボクはカバじゃないっスーーーーーー!!!!」 「お手」の部分にキレたのか、ついに四不象が爆発した。 しかし、金田一の反応は非情なものだった。 「うわっ!?カバが喋った!?」 さらに(悪気は無いが)追い討ちをかける金田一。 よほど驚いたらしく、腰を抜かしている。 「だからカバじゃないっスよ!召喚直後にこの言葉責めはあんまりっスよ!」 「う、うむ。こやつは見た目はまあアレだがれっきとした霊獣なのだ。 というかおぬし、もう少しデリカシーというものを身に付けた方が良いぞ」 すかさずフォローを入れるライダー。 主人の援護に四不象もようやく怒りを鎮めた。 「ところで御主人、ボクを呼び出したってことは敵が現れたってことっスか!? ボクの活躍の場面っスか!?」 度重なるカバ呼ばわりがまだ尾を引いているのか、四不象は何とかして自分の勇姿を金田一に見せつけたいようである。 「うむ、おぬしはこれからわしらと一緒にこの穴を埋める作業をするのだ」 「了解(ラジャー)っス!金田一くん、ボクの勇姿を…………って、え? 御主人、今何て言ったっスか?」 「だから、わしらと一緒に穴を埋める手伝いをしろと言ったのだ」 四不象はショックで再び凍りついた。 召喚されてからいきなりのダブルパンチで、四不象のライフはもうゼロである。 「ボクの聖杯戦争の初仕事が後片付けっスか!? ひどいっスよ御主人!こんなの絶対おかしいっスよ!?」 「っていうかこれ、俺もやるのかよ!?」 「ええい、やかましい!ちょっと掘りすぎてしまって人手が足りんのだ! わしらは一心同体一連托生!さっさと片付けるぞ!」 とまあ、このように漫才を繰り広げながら杏黄旗敷設のために掘った穴を埋める作業に勤しむ二人と一匹であった。 「つ、疲れた………。 んでもって、何だよこの長い階段……」 「頑張るっスよ金田一くん。 でも、もうちょっと体力つけた方が良いっスよ」 二人と一匹で穴を埋めた(ただし、ライダーは寺の偵察と称して途中で抜けた)後、金田一と四不象は長い階段を通って柳洞寺の境内に入ろうとしていた。 元々体力のある方ではない金田一にとってはかなりの重労働だったらしく、その表情には疲労の色が濃い。 「とにかく、中に入って一休みするっスよ。 御主人も先に中にいるはずっスから」 「でも、良いのかな。 勝手に入ったら警察呼ばれるんじゃ…………ん?」 「?どうしたっスか?金田一くん」 警察という単語を口にした途端、金田一の表情が一変した。 それは、忘れていた重要な事を思い出した時のような表情だった。 「そうだよ!警察だよ!! 早く警察に通報すれば良かったんだ!! 悪い四不象、ちょっくら電話借りてくる!」 「えっ?ちょ、金田一くん、それは……」 言うが早いか、金田一は寺に向かって駆け出した。 そのスピードたるや、先ほどまでの疲労を全く感じさせないほどの速さだった。 「すいませーん!少し電話貸してくださーい!」 誰もいないのをいいことに、寺の母屋に駆け込んだ金田一は、電話を探して駆け回る。 「どうしたのだ金田一、そんなに慌てて。 電話がどうのと言っていたようだが……」 「あ、ライダー!ちょっと警察に電話してくる! あと、寺の人がいたら謝っといてくれ!」 廊下から姿を現したライダーを見つけるや、早口で用件を伝えてその場を立ち去ろうとする金田一。 そんな彼を、ライダーが腕を掴んで引き止めた。 「ちょっと待て金田一!警察に電話すると言っても……」 「何だよ!そりゃ普通の警官じゃサーヴァントには勝てないかもしれないけど、それでもこんな状況なんだ! 警察がいるといないとじゃ全然違うはずだ! 大丈夫だって!剣持のオッサンや明智さんなら聖杯戦争のことだって信じてくれる!」 「いや、そういう問題ではなく……」 「考えてみりゃおかしかったんだ!さっきの山だって人がいない獣道のわりに落ち葉がよけたような痕跡があった。 多分、ここはつい最近まで生活してた人たちを無理矢理立ち退かせて用意した会場なんだ! 普通なら考えられないけど、それこそサーヴァントみたいな力を使えば不可能じゃないのかもしれない。 つまり俺たちが今するべきことは、何とかして外に助けを求めることだったんだよ!」 早口で自らの推理を捲し立てる金田一に対して、徐々に脱力していくライダー。 そんなライダーを振り切り、金田一は電話を見つけ出し、警察に電話をかけた。 「あっ、もしもし警察ですか!?本庁の剣持警部か明智警視につないで下さい! 変な神父が殺し合いをしろって言ってるんですよ!」 なるべくサーヴァントのことは伏せて説明を試みる。 しかし……… 「ああ、聖杯戦争の事ですか? 申し訳ありませんが、当方では聖杯戦争に関する一切の質問・要望等を受け付けておりません。 聖杯戦争の知識をお求めでしたら、月海原学園図書室をご利用下さい」 「はい!?ちょ、ちょっとあんた、何でその事を……って、あっ、ちょっと!?」 不気味ほど事務的な対応を取られた末に一方的に切られてしまった。 間違い電話をかけてしまったのかとも思ったがそんなこともない。 もしや聖杯戦争の魔手は警察にまで及んでいるのだろうか? 「……いや、まだだ。警察が駄目なら他の人に頼めばいい! えーっと、いつきさんに佐木に針生さんに結城先生に黒沢オーナー、後は……心配かけちまうけど、美雪やお袋に玲香ちゃん、他には――――――」 思いつく限りの知り合いの名前を列挙し、電話をかけようとする。 そんな金田一の肩を、脱力しきった様子のライダーが叩く。 「……金田一、おぬしの言いたいことは分かった。 分かったから、ちょっとこっちに来てわしの話を聞いてくれ」 「?ああ、わかった」 妙に疲れた様子のライダーを不思議に思いながらも金田一はライダーの話を聞くことにした。 「はぁ!?ここがバーチャル空間だって!?」 「そうだ。ついでに言えば、そもそも地球ですらない。 月に存在する巨大な演算装置にして観測装置、ムーンセル・オートマトン。 その中に展開された電脳空間こそが、この聖杯戦争の会場の正体だ。 おぬしの言う妙な神父も、進行役として選出されたNPCであろう」 場所は変わって柳洞寺の本堂。 そこで金田一はライダーから今回の聖杯戦争の舞台、ムーンセルについての説明を受けていた。 ちなみに、いつの間に用意したのか、ライダーは本堂の中に自分のコーナーを作っており、さらに山のように茶菓子を置いていた。 ライダー曰く「このような大きな寺院にはそれ相応の人数の檀家がいるはず。となれば、そういった者たちをもてなすために、常に茶請けの類を母屋の台所に用意していると睨んでいた」との事。 閑話休題。 数多くの事件やトリックを解明し、今回に至ってはサーヴァントなどという超常現象に遭遇した金田一だが、流石に今、自らが五感で感じている現実をバーチャルなどと言われて素直に信じることはできなかった。 「………そんな話を信じろっていうのかよ。 大体、月にそんなすごいものがあるんだったら、ニュースになってないはずがないじゃないか。そんな話、聞いたこともないぜ?」 「それは、おぬしがムーンセルの存在しない平行世界から呼ばれたからであろう。 聖杯の力を“使えば”不可能なことでもあるまい。 というかおぬし、わしやスープーのことはあっさり信じたではないか」 「だってライダーも四不象も俺の目の前にいるじゃないか。 実際に目にしたことまで疑ってたらきりがないだろ。 少なくとも、ムーンセルだの並行世界だのよりはまだ信じられるよ」 金田一とて超常現象の類を一切合財否定するほど頑固でも狭量でもない。 聖杯戦争にしても、現実的な殺し合いや、今や日常茶飯事といっても過言ではないほどの頻度で遭遇する殺人事件に置き換えればどうにか理解できる事ではある。 しかし、ムーンセルや平行世界といった話は、金田一の想像力の範疇を大きく越えていた。 一言で言えば、話の規模が大きすぎてピンとこないのである。 「それに、その話を全部信じるにしたってまだおかしい事があるぜ。 そのムーンセルが観測装置だっていうのなら、どうして殺し合いをさせて願いを叶えるなんて話になるんだ? 最後まで生き残った者が願いを叶えられるっていうのも一体どんな基準で決めたんだよ?」 金田一の疑問に対し、ライダーはやや満足そうに頷きながら答えた。 「いい質問だ、金田一。 そもそもムーンセルとは、太古の昔から地球上のあらゆる記録を観測するために存在してきた。 過去にもムーンセルが記録活動の一環として人間を招き、殺し合わせた実例もあるが、並行世界の人間までもを呼び寄せて聖杯戦争を開いたという記録は無い。 少なくとも、聖杯からわしに与えられた知識にそのような記録が無いことは事実だ。 では、何故この聖杯戦争が起こったのか。 金田一よ、多くの事件を解決してきたおぬしならわかるのではないか?」 試すようなライダーの言動に、金田一は少々困惑しながらも思考を巡らせる。 ライダーは何故か“多くの事件を解決してきた”という部分を強調して言った。 だとすれば、自分が今まで関わった事件にヒントがあるという事だろうか? (でも、俺が関わった事件なんてそれこそ思い出してたらきりがないぐらい多いんだよな。 なら、少しでもこの聖杯戦争に近い性質を持った事件……。 そこに鍵があるのかもしれない) そう考えて思い出すのは、かつてバルト城で起こった、ミステリーナイトツアーという名目で行われた連続殺人事件。 やや乱暴な考え方だが、催し物を装って誰かを招き、人を殺し、自らは目立つ主催者の影に隠れるという点では聖杯戦争と共通していると言えなくもない。 そしてこの事件を聖杯戦争が起こった理由と関連付けて考えた時、金田一の脳裏に一つの仮説が浮かんだ。 「まさか……この聖杯戦争も、誰かが仕組んだものなのか?」 「うむ、少なくともわしはそう睨んでおる。 さっきも言ったが、ムーンセルは、この世界の地球上の記録を観測することしかせぬ。 並行世界の人間を観測するのは、その本義から外れたことだ」 「でも、最近になってそっちの方も記録するようになったって可能性もあるんじゃないか?」 「では聞くが金田一よ、並行世界というものは一体いくつあると思う? 例えば、もしおぬしが今の疑問を思いつかなかったら。 警察に電話することを思いつかなかったら。 もっと言えば、昨日の昼食の内容が変わっていたら。 そういった僅かな変化から生まれた分岐が、一つ一つの並行世界になると考えた場合でだ」 あまりに無茶なライダーの質問に、さしもの金田一も閉口する。 「そんなの、数え切れるわけないだろ。 むしろ、数えるだけ無駄じゃないか、そんなの」 抗議のつもりで言った言葉に、ライダーはむしろ我が意を得たりといった表情で答えた。 「その通り。数えるだけ無駄だ。 だからこそ意味が無いのだ。 如何にムーンセルが膨大な記憶容量を誇るといっても、それは単一の世界を基準とした場合だ。 無限の並行世界の地球の観測までしていては、すぐにオーバーロードを起こして自壊するのは自明の理。 つまり、ムーンセルの本来の目的から言えば、並行世界の扉を開き、人を招くこと自体が非合理的な無駄の極みなのだ」 「だから人間が仕組んだ、って事になるのか……。 ってちょっと待てよ、だとしたら、順序が逆になる……! ライダー、お前さっき聖杯の力を使えば並行世界の人間でも呼べる、みたいなこと言ったよな? だったら、願いを叶える人間を決めるために殺し合いをさせるんじゃなく、既に聖杯を手にして願いを叶えた人間が俺たちに殺し合いをさせてるってことになるんじゃないのか!?」 自ら思いついた仮説に青ざめる金田一。 もしこの考えが事実なら、自分たちが何をしても殺し合いを打破することなど不可能、という事になりかねない。 何しろ相手は既に聖杯を手に入れた人間だ。 少しでも殺し合いに反抗した者を消すなど造作もないだろう。 「いや、厳密には少し違うであろう。 本当に聖杯を掌握し、願いを叶えたのなら、わざわざ聖杯戦争を起こす理由が無い。 恐らくそやつは、聖杯にある程度干渉することはできても、完全に掌握し、目的を達成するには至っていないのであろう。 つまり、この聖杯戦争は目的達成のための手段として引き起こされた可能性が高い。 願いを叶えるという触れ込みや、バトルロイヤルという形式にしても参加者に疑問を抱かせないようにするための方策であろう。 この調子なら、他にも何か信憑性を高めるための布石を打っているやもしれぬな」 ライダーの返答に少しだけ安堵した。 考えてみれば、こうして自分たちが聖杯戦争の裏について議論することが出来ている時点でこの聖杯戦争の仕掛け人が完全な力を持っているわけではないことは明白だ。 そして、聖杯戦争を開催した理由についても、提示された勝利条件を考えればある程度の推測はできる。 「最後に残った一組みに願いを叶える権利が与えられる……って事は、殺し合いが完遂される事が目的の達成に必要な条件ってことになるよな」 口にするだけで苦い思いがこみ上げてくるが、考えることをやめるわけにはいかない。 金田一が持つ唯一の力が、この推理力なのだから。 「うむ、十中八九そう考えて間違いない。 となれば、わしらの取るべき方針は聖杯戦争の完遂を阻止することに絞られる。 しかし、これだけでは時間稼ぎにしかならぬ」 そこまで言うと、ライダーの表情が悪戯を思いついた子供のそれに変わった。(もっとも、ライダーの外見年齢は中学生ぐらいの子供といっても良いほど若いが) 「故に、わしらはどうにかしてこの会場、冬木市から脱出する必要がある。 そして、優勝以外の方法で聖杯に辿り着き、最終的には聖杯の近くにいるであろう黒幕をやっつけて、わしらで聖杯を独占するのだ。 殺し合いに乗ったマスターも、聖杯を他の参加者に握られては黙らざるを得まい」 あまりに突拍子の無いライダーの提案に、金田一は開いた口が塞がらない。 勿論それが出来ればベストなのだろうが、そう簡単に上手くいくとは思えない。 そんな金田一の表情を読み取ったのか、ライダーが微笑みながら説明を続ける。 「なーに、わしとて根拠も無く言っているわけではない。 如何に舞台がムーンセルといえども、この聖杯戦争自体は人間が考えたものだ。 まして並行世界の人間を招くという無茶までした以上、完璧ということはあるまい。 必ずどこかに隙があるはずだ」 殊更力強く話すライダーに、金田一もまた勇気づけられるのを感じた。 方針は固まった。ここからは行動すべき時だろう。 「よし!そうと決まれば街に出て情報収集だ! できたら他のマスターにも接触して―――」 「駄目」 「……は?」 唐突に冷や水を浴びせられた。 「わしらは当面、この柳洞寺に籠城する。 幸いここには食糧もあるからな」 「な、何でだよ!?もう準備は十分だろ!? こうしている間にも殺し合いが起こってるかもしれないのに……!」 「まあ理由はいくつかあるが、一つはおぬしの言う他のマスターについてだ。 この聖杯戦争に参加を決めた者の多くは魔術を始めとした何らかの超常的な力を有しておるだろう。 強い力を持ち、自ら望んで殺し合いに参加した者など、精々潰し合ってもらえば良い。 おぬしが気に病むことではない」 これまでとは打って変わったライダーの残酷な言動に、金田一は動揺を隠せなかった。 「でも、だからって死ねば良いなんてことにはならないだろ! それに、俺みたいに巻き込まれる形で参加させられた奴だっているかもしれない。 誰かが死ぬかもしれないって分かってて、見過ごすなんて出来ねえよ……!」 「金田一」 今までで一番真剣な表情と共に、ライダーが口を開いた。 「おぬしの気持ちは、わしもわかるつもりだ。 だが、今は耐えるのだ。 殺し合いを止めようにも、今のわしらが打てる手はあまりに少ない。 それに、今はここに立て篭る事こそが殺し合いを止めるために打てる最大の一手なのだ」 「……どういう事だよ?」 納得がいかないながらも、続きを促す。 「もう一つの問題は他のサーヴァント、とりわけキャスターだ。 魔術師のクラスに位置付けられておる彼のサーヴァントなら、スキルと魔力量次第でこの冬木市全体への魔術行使すら可能になるであろう。 そして、それに最も適した土地がこの柳洞寺なのだ。 つまり、ここを占拠される事は、魔術への抵抗力を持たぬおぬしや他の一般人のマスターにとっては死活問題になる。 それだけは避けねばならん」 ライダーの語る言葉に嘘は無いことは、その表情から伺い知ることができた。 恐らく、ライダーの言う通りにするのが現状ではベストなのだろう。 一瞬、令呪に訴えることも考えたが、それは徒にライダーとの関係に溝を作る結果にしかならないだろう。 また、本人はあまり自覚していないが、金田一自身、理詰めで物事を判断しやすい性格であることも彼をこの場に留まらせる一因になっていた。 しかし、同時に、諦めることを決してしないことも金田一の持ち味だった。 彼は、無言のままライダーの隣に座ると、茶菓子の包を手に取り、腕を組んで何やら考え事を始めた。 「…?どうした、金田一」 「考えるんだよ。 確かに今、俺はライダーの考えた作戦を上回るようなアイデアを示すことができない。 でも、それは今の話だ。 ライダー、俺は諦めないからな。 誰も死なせない、お前も認めるような方法を必ず考えてみせる」 そう言って、そっぽを向いて茶菓子(薄皮饅頭)を食べ始めた金田一の背中を、ライダーはどこか嬉しそうに見つめていた。 同時に、今後の展望についてもある程度の考えを巡らせていた。 ライダーとて、いつまでも柳洞寺に篭っているつもりはない。 彼は、生前と同じように、殺し合いを打破するための仲間を募るつもりだった。 (戦局が動くとすれば恐らく今から明朝までの間。 その間に戦闘で消耗したマスターとサーヴァントがこの地の霊脈を求めて来る可能性は高い。 そして、その時こそが交渉のチャンスだ) 消耗しているであろう相手と杏黄旗と霊脈によって魔力の充実したライダー。 そして、脱出の可能性と聖杯を山分けするという実利。 これらの条件をカードにして他のマスターと同盟を組み、ある程度数が揃ったら打って出る、というのが彼の戦略だった。 他のマスターが真っ先にこの柳洞寺に乗り込んで来る可能性もあるが、この序盤戦でそのような行動に出るのは十中八九キャスターのマスターだろうとライダーは考えていた。 その場合、戦いは避けられないだろうが、流石に陣地作成スキルの恩恵も受けていないキャスターに敗れるつもりはない。 Bランクの対魔力は伊達ではないのだ。 逆に、キャスターを仲間に加えることが出来れば心強いとも思う。 (殺し合いに乗っていない熟達の魔術師がマスターで、聖杯にかける願いの無いキャスターを従えている、そんな者たちと手を組めれば………はは、我ながらなんと無茶苦茶な) あまりに虫の良すぎる発想に、思わず苦笑する。 常識的に考えて、そんなマスターとサーヴァントの組み合わせが有り得るはずがない。 (まあ、それはともかく……何故ここにはNPCがいない? このような僻地にNPCを配置するリソースを割くことをムーンセルが無駄と捉えたか、あるいは霊脈としてのアドバンテージを得られるこの地に魔力炉になるNPCを配置することをある種の不公平と取ったか、あるいはその両方、か?) 例えば、もしも自分たちではなくキャスターが最初にこの地を抑え、更にNPCを魔力炉に利用したならば。 恐るべき早さで工房、あるいは神殿を形成し、序盤から圧倒的な優位に立っていただろう。 ここにNPCがいないことも、ある程度の公平性を期すための措置と考えれば納得できなくはない。 どこか釈然としない気持ちもあるが、いないものはいないのだ。 これに関しては、今は置いておいても構わないだろう。 それよりも、考えるべき問題が山積みなのが現状だ。 ちらりと、考え事をしている金田一の方を見やる。 正義感が強く、危ういところもあるが、サーヴァントとしてだけでなく、太公望という個人としてもこの少年を死なせたくはない。 一方で、金田一ならこの状況を打破する妙案を考えてくれるのではないか、という期待もある。 若き少年探偵の背中に、ライダーは微かな、しかし確かな希望を見出していた。 【柳洞寺・本堂/深夜】 【金田一一@金田一少年の事件簿】 [状態]:健康(残令呪使用回数:3) ※「怪奇サーカスの殺人」開始直前からの参戦です。 【ライダー(太公望)@藤崎竜版封神演義】 [状態]:健康・魔力充実 ※杏黄旗により、どこにいても円蔵山から魔力供給が受けられます。 ただし、短時間の内にあまりにも大量の魔力を吸い出した場合、霊脈に異常をきたす可能性があります。 ※裏に聖杯戦争を仕組んだ人間がいると考えていますが、その考察が的中しているとは限りません。 ※柳洞寺周辺にNPCはいません。 BACK NEXT 027 Cyclone 投下順 029 初期不良 027 Cyclone 時系列順 029 初期不良 BACK 登場キャラ NEXT 014 No.14 金田一一&ライダー 040 FINAL DEAD LANCER(前編)
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神-----信仰の対象として尊崇・畏怖 (いふ) されるもの。人知を超越した絶対的能力をもち、人間に禍福や賞罰を与える存在。 デジタル大泉典より引用。 神……それは、人々の信仰の対象。 国・宗派によって信ずる神は違う。 しかし、共通していることは、”神に縋る”という人の感情が存在することだ。 「え~と……ここで合っているのかな……?」 地図を片手に歩いている着物姿の少女はこの店が探し求めている店なのか不安げに佇んている。 着物少女の名前は関織子。 旅館「春の屋」で若おかみをしている小学6年生。 春の屋に訪れるお客さんの笑顔を見ることに喜びを感じる織子は、とある宿泊客が『買い物を買いにいきたいがどうしても外せない用事で買いに行くことができない』と困っているのを知ると、自分が代わりに買ってくると申し出たのだ。 「ご……ごめんくださーい……」 『アンティークショップ・美紗里』と看板が掲げられた人気を感じさせない店に少し怖気づいた織子は恐る恐る店内へ入った――― (わぁ……色々と不思議なのがたくさん売られている!) 織子は店内に置かれている様々な物が展示されているのを興味深そうに眺める。 「でも……どれがどれだかわからないわ……店員さんは何処にいるのかしら?」 機械製品に疎い織子は紙に書かれている品物がどれかわからないため、店員に直接聞こうと周囲を見渡す――― ―――すると。 「あら……可愛らしいお客さんね。ようこそ、アンテークショップ・美紗里へ。私は店長のミザリィ』 そこにいたのは、神秘的な雰囲気を漂わせた大人の女性がいた。 ☆彡 ☆彡 ☆彡 (綺麗な女の人……グローリーさんみたい) 織子は店長と名乗るミザリィを見て、かつて春の屋の宿泊客で織子の友人となった占い師の女性を連想した。 「あ、あの……”これ”が欲しいのですが、ありますか?」 織子はミザリィに客から手渡された紙を見せる。 「どれ?……ああ、これのことね」 ミザリィは紙に書かれている品物を持ってきてくれた。 「わざわざ持ってきていただいて、ありがとうございます。それでは、それを買います」 織子は商品を購入した――― 「……それにしても、貴方が使うようには見えないけれど?」 ミザリィは織子に尋ねる。 「あ、はい。実は……」 ―――かくかくしかじか 「ふ~ん。その年で偉いわね」 「えへへ。若女将としてお客さんには笑顔で帰ってもらいたいので!」 ミザリィに事情を話すと、褒められ、織子は照れる。 「それじゃあ、そんなあなたに貴重なプレゼントを贈るわ」 そういうと、ミザリィは瓶を取り出す。 「そ、そんな。私がしたかったからやっていることなので!」 織子は申し訳ないと顔をブンブンと振り、断ろうとするが――― 「あら。気にしなくてもいいわ。私も贈りたいと思ったから贈るだけだから」 ミザリィは織子に瓶を手渡す。 「わ!?……凄いキラキラして綺麗」 (金平糖みたい……ふふ、鈴鬼君がみたら間違って食べちゃいそう) 織子はミザリィから手渡された瓶の中の虹色の石に目を輝かせて眺める。 「ふふ……それは” 星晶石”。今のあなたにとってただのキラキラした綺麗な石。だけど、あなたの意志が認められたらきっと素敵なことが起きるわ」 ミザリィは織子を見つめながら意味深なことを予言した――― ☆彡 ☆彡 ☆彡 「……」 (なんだか、可笑しなことが続いちゃってる……) 織子は自室で物思いにふけている――― あれから、お客様に買い物した品物を渡すと、大いに喜んだ。 その姿を見た織子も喜ぶが、奇妙な展開になった――― その客は”お礼”と称して買い物へ行った店の店主であるミザリィさんのように”キラキラしたカード”を織子に手渡したのだ。 織子は受け取れないと拒否したのだが、押し切られて結局受け取ってしまったのだ。 そして、次の日、旅館の倉庫を整理していると、織子へと書かれた箱を見つけ、箱の中身を確認すると、たんぽぽとコスモスが押し花とされたキラキラした本の栞がそこにあった。 あれよあれよと”キラキラした物”を3つ手にした織子は頭を悩ます。 「う~ん。駄目……さっぱりわからないわ。ウリ坊達ならこれが何かわかるかな?」 織子はそう思うと、友達の幽霊達に聴きにいこうと立ち上がった瞬間――― ―――パァァア! 「な、何!?」 畳みの上に並べていた3つのキラキラから突如、まばゆい光が発生して織子ごと部屋を包み込む――― ☆彡 ☆彡 ☆彡 「……ここは?」 光が収まり、目を開くと、そこは自分がいた部屋ではなく果てしなく広い広い場所。 見る者を魅了させる星々が輝く。 「綺麗……。そ、そうだ。ウリ坊!?美代ちゃん!?鈴鬼君!?」 綺麗だなと感じるが、一人であることに不安を覚える織子はいつも自分の傍にいる春の屋で知り合った3人の幽霊達の名前を呼ぶ。 ―――シィン。 反応は帰ってこない――― 「みんな!?そんな……!」 織子は寂しさと恐怖で目に涙が浮かぶが――― 「ようこそ、常ならぬ願望を抱く新たなマスター候補者よ」 織子に『泣いている暇はないぞ?』というかの如くどこからか男の人と思しき声が聞こえてきた。 ☆彡 ☆彡 ☆彡 「―――ここかしら?」 あれから、織子は男の人から聖杯戦争の予選を受けてもらうと言われた。 正直、夢だと思ったが、自分のほっぺをつねってみると痛みを感じたため、夢ではないと織子は理解する。 セイントグラフなるカードやそれを使って召喚せよや地図アプリの使用方法など色々と教えられたが、機械に疎い織子はちんぷんかんぷん。 その様子を星々を通じて見ているのか、男の人はため息らしきのを吐いた――― それから時間がかかったが、なんとか試行錯誤して地図アプリを使い指示された場所まで歩いた。 たどり着くと円形の複雑な陣が描かれ、そこから真っ黒な何かが現れた。 男の人曰く、その”シャドウ”と呼ばれるのを倒すと予選を突破したことになるらしい。 男の言葉が言い終わると同時にシャドウが織子に襲い掛かってきた。 「きゃ!」 幸い、速度が鈍いため、小学生の織子でも難なく避けきることができたが――― 魔術師でもない普通の一般人である織子にシャドウを倒す対抗手段はない。 攻撃→避けるを繰り返していると、シャドウの姿が人の形に変容しだした。 「え!?人の形になった!?」 「シャドウは、時間が経つにつれて強化される。そんなに悠長な時間はないぞ?早くサーヴァントを召喚する事だ」 「そんな!召喚ってどうすればいいの!?」 召喚方法が分からず、避けながら戸惑う織子に対し男は冷静な声で返す。 男曰く、先ほどの聖闘士グラフを用いて『英霊の座』に接続しなきゃいけないらしい。 そして接続するには”意志”が必要だそうだ。 話の最中でもシャドウの速度は加速度的に上がっていき、織子はかわすのに精一杯になっていった。 「痛ッ!?」 剣の切っ先が足を掠り織子は痛みに蹲ってしまった。 そして無情にもシャドウは攻撃を手を緩めようとせず、織子に剣を――― (私……死ぬの!?) 織子の脳裏を埋め尽くす死の気配。 凜はその感触で長くのばされた時間の中、様々な考えが浮かび消えていった。 ―――そんなの駄目。ここで私が死んだら、ウリ坊・美代ちゃん・鈴鬼君と二度とあえなくなっちゃう! そして何よりも大切な”お父さんとお母さん”とも会えなくなっちゃう!!! 織子の心の中に渦巻く感情を爆発させた瞬間、握っていたカード「セイントグラフ」が宙に浮くと光を発した。 その光にシャドウは攻撃を中断して後方へ下がる。 マイクテスト、マイクテスト。あーー、もしもし、聞こえるかー? 「え?え?……私の胸!?」 織子は何処からか聞こえる声の元を探そうとしたら、自分の胸から聞こえたことに吃驚する。 ハロー!ニンゲン!キィの名前はキィという!よろしくな! 「わ、私は関織子。よ……よろしくお願いします」 自分の胸から挨拶され、織子も自己紹介を交わす。 「ひょっとして……あ、あなたがサーヴァントなの?」 「うむ。キィはバーチャドールでサーヴァントだ!」 織子はバーチャドールとまた知らない単語を聞かされ頭を傾げるが、とにかく、自分のサーヴァントであることを理解する。 「お、お願い!キィちゃん!シャドウをやっつけて!」 マスターとなった織子はサーヴァントのキィに攻撃するようお願いするが――― 「それは、無理だ」 「ええ!?」 (どうして!?それじゃあ私、死んじゃうわ!) あっけらかんと応えるキィに織子は驚愕する。 「キィはサーヴァントとして召喚されたが直接攻撃はできない。だが、一緒に暴れまわることはできるぞ?」 キィはニヤっとすると――― 「ハンシン、覚悟はできてるな?」 ……Are you Ready?――― ピシィ!! キィの言葉に反応して、織子の胸に硝子の氷柱が飛び出す! まるで、ガラスの心が反応したかのように。 GO Liiiiiiive!! ―――パリィィィン 硝子の氷柱は向日葵とコスモスの花になり――― 手には竹箒を握りしめていた。 「え?え?」 (向日葵にコスモス?) 急展開に織子は戸惑うばかり。 「おい!ハンシン。ボーっとするな!!前を向け前を!!!」 「え?」 キィの言葉に前を向くと――― 「……」 今まで、様子を窺っていたシャドウが織子に再び、剣を構えだすと襲い掛かってきた。 「さぁ、戦うのだ!ハンシン」 「た、戦うってこの竹箒で!?……そんなの無理よ!」 (そんな!?箒で剣に敵う訳ないじゃない!) キィは戦うよう織子に命ずるが、織子は無茶いわないでと抗議する。 「大丈夫だ!キィを信じろ!!」 キィは織子に自分を信じるよう伝える。 ブォッ――― シャドウの剣が織子の脳天へ向かって振り下ろされる――― 「ッ……」 もう駄目―――。ごめんなさい。お父さん、お母さん――― 織子は無駄だと思いながらも竹箒でガードする。 ガギィィン――― 「……え?」 なんと、金属音が聞こえただけで、竹箒が剣を受け止めたのだ! 「だから、キィを信じろと言っただろ?さぁ!反撃だ!!」 ―――シンギュラリティエクス 「わ!?わわ!!」 キィの言葉に反応すると織子の体が勝手に動き出し――― ブォ!!! 竹箒でシャドウを打ち上げ、空中で高速に叩く!叩く!!叩く!!! ―――クルクルクル 回転しながら勢いよく竹箒で地面に叩きつける!!!!! 「……!!??」 シャドウは織子の攻撃に耐えきれず――― シュゥゥゥ――― ―――消滅、露散した。 ―――スタッ 織子は見事に着地すると、前にいる女の子――― パァン――― キィとハイタッチした。 ☆彡 ☆彡 ☆彡 「はぁ……はぁ……はぁ……」 シャドウが露散する中、織子は昂った体を鎮めようと息を整える…… 「やったなハンシン!」 目の前の少女はニコッと織子に笑みを見せる。 「えっと、貴方がキィ……ちゃん?」 織子は目の前の少女が先ほどまで自分の胸から聞こえた声の持ち主ではないかと思い尋ねた。 「うむ。キィはキィだ!それとちゃんづけはいらん。キィでよい」 キィは織子の尋ねにそうだと肯定する。 「ふっふっふ……このキィがサーヴァントとして召喚されたからには大船に乗った気持ちでいるがいいぞ」 キィはVサインを織子に向ける。 「そうと決まったら、早速コンビの名前を考えねばな……」 キィは顎に手を添えると思案しだし――― 「……うむ。やはり、あれしかないな。……我らは帰宅部だ!」 キィは宣言する。 「き……帰宅部!?」 キィの宣言に織子は目を丸くする。 「そうだ!この世界はリグレットがかつて行っていたことと同類のようなものだ。マガイモノだ!キィはそんな世界を認めることはできない!だから、現実世界に戻る……つまり、帰宅部ということだ!」 キィはそういうとこぶしをギュと握る。 「安心しろ。キィが知っている帰宅部の皆はキィにたくさんのことを教えてくれた。そして、今は皆、現実を受け入れて精一杯生きておる!だから、帰宅部という名ならハンシンも必ず元の世界へ帰れる!」 キィはそういうと、織子の目を見つめた。 「う……うん」 (リグレットとかまた、わからない単語が出てきたけど……とりあえず、キィはこの変な場所から皆がいる春の屋へ戻る手助けをしてくれるってことなのかな?) キィの熱い思いに織子は圧倒される――― そんなやり取りをしている内に織子とキィが佇む場所が闇に呑まれだし――― 「こ、ここは……」 目の前の景色の変化に織子は周囲を見渡す。 (ここって……教会かしら?) どうやら、教会らしき場所へいるようだと理解した。 すると――― 「……ほう、このような幼き少女が試練を突破できたとは……ふっ、これも一興か」 不敵な笑みを浮かべる神父がいた――― ☆彡 ☆彡 ☆彡 「……これで説明は以上だ。理解できたかな?」 「え、え~と……」 あれから言峰綺礼と名乗る神父から”聖杯戦争”についての説明を受けたが、今まで普通に旅館の若女将として働いていた織子には夢物語のようにしか聞こえなかった。 「まぁ、幼き少女が全てを理解するのは難しいだろう……だが、理解しておくことは二つ。今、君のいる都市は『パラディウムシティ』といい君が過ごしていた世界ではない。そして、聖杯戦争に参加意思を示し、聖杯を手にすれば君の”望む願い”が叶うということだ」 綺礼は織子に話す。 「望む願い……」 (私が望む願い……) 「おい!キレイとやら!キィたちは聖杯戦争に参加しないからさっさとハンシンを元の世界へ戻してやれ!」 ここまで、神父と若女将のやり取りを黙って聴いていたキィは綺礼に食って掛かる。 しかし――― 「それは無理だ」 綺礼はキィの要求をにべもなく断る。 「な……何故だ!」 当然キィはそんな回答に納得することができず、綺礼の眼前にさらに顔を乗り出す。 「……そんなに近寄るな。聖杯戦争に参加するか否かは私や貴様が決めることはできない。あくまでも意思決定は選ばれたマスターだけだ」 そういうと、綺礼は目線を若女将に向ける。 「それに、聖杯戦争で優勝すれば、新たな理のもとで運営される宇宙の中で、全ての人間はそのままの姿で転生する。貴様のいう帰宅部の目的とやらと何の違いもないではないか?」 綺礼はフッ……とキィに話ながら微笑する。 「同じではない!世界の理を改変するということは、理不尽でも今までの世界で精一杯生きている人達を冒涜する愚かな行為だ!キィは断じてそのようなマガイモノを利用した企みを認めるわけにはいかない!」 キィは綺礼に啖呵を切って聖杯での望みを否定する。 「頭から聖杯を否定するとは、とても英霊の座にいるサーヴァントとは思えん発言だな」 キィと綺礼の言い合いは次第にヒートアップしていく――― 「……」 織子は沈黙のまま目を瞑っている。 ―――やがて、ケツイが定まったのか両目を開くと。 「……私、参加します!」 力強くハキハキした声で意思表示をする。 「お、おい……」 若女将の参加の意思表示にキィは戸惑いを隠せない。 「だって、他の人が聖杯を手にしたら願いによっては他の宇宙……えっと、私の住む世界にも影響を与えらられてしまうかもしれないんですよね?私……ウリ坊や美代ちゃんに鈴鬼君や”お父さんとお母さん”に会えなくなった世界に変えられちゃったらやだもの!だったら、私が聖杯を手にして元の世界へ帰るわ!!!」 ”両親を亡くした”織子にとって今、ウリ坊達と囲まれた生活は失いたくない現実。 それゆえに織子は聖杯戦争に参加の意志を表明した。 「フッ。どうやら、英霊としての役割を自覚できぬサーヴァントに比べ、少女は聖杯戦争のマスターの資格を十分に有しているようだな」 「ッ!?……」 綺礼の勝ち誇った表情を見て、殴り掛かりたい気持ちをキィは歯を食いしばり、耐える。 「関織子。貴様の参戦を聞き入れた。聖杯は君を歓迎するだろう。あと細かいのは端末のヘルプで参照できるが、まぁ、そこのサーヴァントがそういう操作は得意なはずだ。分からなければ頼ることだ」 「……」 綺礼はチラッとキィの方へ目線を向け、キィはそれを無言で睨む。 「わかりました。……それでは、これで失礼します」 織子は綺礼に頭を下げると出入り口に向かって歩く。 「喜べ若女将。君の願いはようやく叶う」 綺礼は立ち去ろうとする織子の背中へそう言葉を投げかける――― ―――織子とキィは教会を後にした。 ☆彡 ☆彡 ☆彡 「ごめんね。キィ……せっかく私の為に神父さんに色々詰め寄ってくれたのに」 織子はキィの想いに反した行動を謝罪する。 「……なぁ、ハンシン。キィはやっぱり納得でき……ッ!!」 キィは織子に話しかけようとしたそのとき――― ―――織子の心の奥に踏み込みますか…? はい いいえ ドクン!とキィの体に悪寒が全身に巡り走る。 「……どうしたのキィ?」 「い、いや。なんでもない……」 キィの様子の変化に気づいた織子は心配そうに顔を覗くが、キィは大丈夫だと返事を返す。 「……そう?」 織子は『本当に?』と思いつつもスタスタと前を歩く。 「……」 (そうか……キィがオリコのサーヴァントになったのは”そういうこと”なのか……) 前を歩く織子の背中を眺めつつキィは悟った――― 自分が此度の聖杯戦争のサーヴァントとして召喚されたわけを――― 「キィー?置いてっちゃうよ―――?」 織子は立ち止まっているキィに声掛けする。 「……ああ。今行く!」 (そして、織子の心の奥に踏み込むとしたらハンシンではなくキィなのだな?) キィはリグレットのときの相棒の姿を想起する。 (……はたしてバーチャドールのキィにできるのだろうか?……いや、キィがやらなきゃいけない!でなければ、帰宅部の皆に顔向けができぬ!) そう、人の想いを痛みを引き受け、受け入れるのがバーチャドールの役目なのだから――― かくして、一組のマスターとサーヴァントの帰宅部(コンビ)ができた。 【サーヴァント】 【CLASS】 キャスター 【真名】 キィ 【出典】 Caligula2 【性別】 女 【ステータス】 筋力E 耐久E 敏捷C 魔力A++ 幸運A 宝具A++ 【属性】 中立・善 【クラス別能力】 陣地作成:A+ 魔術師として、自らに有利な陣地を作り上げる。 ”神殿”を上回る”大神殿”を形成する事が可能。 道具作成:B 魔力を帯びた器具を作成できる。 【保有スキル】 バーチャドールキィ:A 聖杯戦争のマスターが一人脱落するたびに力が解放される。 マスターは解放された能力を行使することができる。 一人目 キキィミミ めっっっちゃ耳がよくなる。特定のワードを検知するようになる。範囲は一エリア分。ただし、ワードの範囲が広いため、必要な情報以外も多く集まるのが欠点。 二人目 キィ憶消去パンチ キィ憶消失パンチを受けた者は数日の記憶が曖昧となる。 三人目 ピッキィング 簡単な構造の鍵や魔術結界なら解除できる。 四五人目 ハッキィング 人が多く集まっている場所や騒ぎになっている場所などヘルメス・トリスメギストス内の力の流れを感じ取れる。 六人目 マスターキィ 殺害もしくは魂食いをされたNPCの情報やそのときの状況を覗くことができる。 七人目 バーチャドールキィ 人の想いを受け止める。それは、不安も悲しみも欲望も。 マスターの身体能力が全ステータスA+になる。 フロアージャック:A+ 相手サーヴァントとの戦闘中、具現化して曲を歌う。 歌う曲により、マスターのステータス強化に繋がる。 キィがハンブンもらった!つまり、ハンブンっこだ:C サーヴァントとマスターは一心同体。 マスターが死ねばサーヴァントも消滅する。 サーヴァントが消滅すればマスターも死ぬ。 【宝具】 『カタルシスエフェクト』 ランク:A 種別:対人宝具 レンジ:1 最大補足:1人 マスターの心の貌を具現化させてサーヴァントと互角に戦う能力を付与する。 シンギュラリティエクス 竹箒で相手を高速で叩く スラッシュレイド 素早く踏み込み竹箒の打撃と蹴りを繰り出す。 ハイディスターブ [射撃カウンター](飛び道具の宝具の発動をキャンセルさせる)敵の懐に踏み込み回転叩きを繰り出す。 ドレッドノート [必中]サーヴァントの防御が薄い急所を狙い、威力の高い竹箒の打撃を繰り出す。 ブロークンサーフィス [ガードブレイク](防御の宝具の発動をキャンセルさせる)高くジャンプし強力な叩きつけでガードをも破壊する強烈な攻撃。 ソニックレイド [空中攻撃]高く飛び立ち空中の敵に回転しながら竹箒の打撃を見舞う。 カルニヴァル [突撃カウンター](大軍・大城宝具の発動をキャンセルさせる)回転しながら敵を竹箒で叩き、敵の宝具を挫く。 ツインアセイル 回転で威力を増した攻撃を放つ。最後の蹴りには相手を吹き飛ばす効果を持つ。 アンダーテイカー 目にも止まらぬ竹箒の打撃で敵を圧倒する。 ダンスマカブル 素早い突進で相手を竹箒で叩きながら回り込み最後に背後から強襲する。 【WEAPON】 歌声 【聖杯にかける願い】 無い。キィはマガイモノ(聖杯)によって叶える願いは断固認めん! 【人物背景】 uの後続として開発された試作品のバーチャドール。uを母のように強く慕っている。試作品の為、始めは人の価値観を完全には理解できなかったが、リグレットによる偽りの世界を破壊するために力を貸したニンゲンとその仲間たちとの交流で人の持つ価値観や可能性を理解した。 【方針】 マスター(関織子)の心の奥に踏み込むために当面はマスターが死なぬよう戦闘指南しつつ絆を深める。 【把握媒体】 ゲーム。(続編ものですが、キィは2のキャラで前作を知らなくても把握できます) プレイが厳しいなら実況などのプレイ動画。 【マスター】 関織子 【出典】 若おかみは小学生(映画) 【性別】 女 【能力・技能】 霊界通信力:幽霊や魔物が見れ、彼らと放せる能力。交通事故での死にかけたのをきっかけに得た 【weapon】 竹箒:キィの能力で精製された竹箒。 サーヴァントの力が込めれているので、非常に頑丈(宝具にも耐える)。 キィが直接戦闘するサーヴァントではないため、織子がそれを駆使して聖杯戦争を戦い抜く。 【人物背景】 明るく元気な小学生。梅の香神社での神楽を見学した帰りの高速道路で大型トラックによる交通事故に巻き込まれて両親を亡くす。その後、祖母に引き取られ、幽霊であるウリ坊と出会う。そしてウリ坊の提案で祖母の経営している旅館『春の屋』の若女将として働くこととなった。始めは若女将としての修行に四苦八苦していたが、宿泊客のあかねの為に露天風呂プリンを作り、彼の悲しみを浄化した。また、元気のない占い師の水領に心からのおもてなしをして彼女の元気を取り戻らせるなど若女将として成長を重ねる。秋になり、とある一家が春の屋に泊まりに来る。事情があって病院食のような食べ物しか口にできない一家のお父さんのために奔走して改良した食事を提供してお父さんを喜ばせる。しかし、そのお父さんが交通事故を起こしたトラックの運転手であることを知ると同時にこれまで夢の中で慰めてきた両親の幻からの別れを告げられたことに衝撃を受け、部屋を飛び出す。仲良しのウリ坊達を探すが彼らの姿はもうほとんど見えず旅館をさまよう。織子を心配しに様子を見に来たグローリーに慰められ織子は落ち着きを取り戻し、生前の両親や祖母がいつも話していた"花の湯温泉のお湯は誰も拒まない"という言葉を使って、一家を春の屋旅館に留めてライバル旅館の子は織子を認めさせた。 【マスターとしての願い】 世界の理を大きく改変するような願いを持つマスターには聖杯を渡さない。 自身の願いは思い出の詰まっている現在の春の屋旅館を本館として残しつつ、はなれに別館を建てて春の屋を大きくする 【方針】 序盤は情報収集・戦闘訓練(キィによる指南)に集中。 【ロール】 シカルゴ街にあるとある旅館にて住み込み中。お手伝いをしながら若女将としての修行中。 【令呪の形・位置】 右手の甲に、露天風呂プリンの形 カラメルソース・プリン・皿の3画 【把握媒体】 映画もしくは映画版の小説。 テレビ版は若干若おかみこと関織子の設定が違うのでご注意を。 参戦時期は映画内の木瀬一家が宿泊にくる前(両親の幻との離別を受け入れられる前※抱え込んでいる織子の心の奥)となっています。
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1330。 ミーンミーン、ミーンミーンと、蝉がなく。 暑い。今はサーヴァントであり昔は艦船であっても、人形をとっている以上体機能は人間に準ずる。そうなれば、寺の縁側に腰かけているアーチャー・赤城はうっすらと体が汗ばんでいた。 吹く風は弱く、身じろきすると直ぐに汗が吹き出るが、じっとしていてれば平常に耐えれる、そんな気温。艤装を着けていないこともあり座っている分にはなんら問題はない。 ちら、と目線を寺の奥へと飛ばす。なるほど、なにか魔術的なものでこの寺が覆われていたが、それは問題なく作動しているようだ。でなければバーサーカー・ヘラクレスが実体化していることに誰も驚かないという事態は起こらないだろう。 (なんとなく仏像に見えなくもないですね。) 奈良にあるという金剛力士像だっだろうか?基本的に海にしかいなかった赤城はいかんせん内陸の事情には疎い。 それはそうとして、サーヴァントがこうも実体化していてもなんら騒ぎにならないことは異常である。特に赤城はともかくヘラクレスは。先から寺の坊主や虫取にきた子供が時おりバーサーカーの周りをうろついているが、全く不思議がりはしない。それどころか目に入っていないかのようだ。精々、子供の一人があぐらを組んでいるヘラクレスの脚に虫かごを置いて中にクワガタを入れた程度だ。 (仏像と言えばこちらの方が。) 赤城は視線を反対ーー寺の内へと向ける。寺に参拝に来た人がまず行き着くであろうその場所を見張るように、キャスター・フドウは蓮華座を組んで瞑想していた。こちらは端から見れば一目でサーヴァントとわかりはしないだろうが、それでも目につくことには変わりないだろう。しかし、ヘラクレスと同様に不思議がる人はいない。それどころか参拝者が彼に向かって拝む程だ。 (あれ、それってまずいんじゃ。) なんとなく認識阻害が効いているのか不安になるが、問題らしき問題は起きていない。キャスターを拝んだ人も直ぐにスッキリとした顔になるととっとと寺から出ていってしまうため人払いにはなっている、のだろうか? 赤城がそんなことを気にしていると、背後からパチパチと拍手が聞こえてきた。障子を隔てた畳張りの部屋には翠屋のサーヴァント達が詰めていることを考えると、彼らがなにかやっているのだろうか。どれ一つ見てみようと障子に手を伸ばしかけて、止める。マスター達が話し合っている棟に向かうには赤城が今いるこの縁側の前に道を横切らねばならない。つまりここで道を見張っていればとりあえずは一安心だ。それならわざわざ声をかけにいく必要はないだろう。しかし、直接目視で見張った方が良いかも知れないという気も起きる。 「風通そうかーーあっ。」 「あっ。」 スススス、と赤城が凝視していた障子が開いた。手をかけているライダーと座蒲団に座った二人のセイバーと目が合う。 「どうも、あの~、アーチャーさんもトランプやります?」 「トランプですか?」 突然の提案に面喰らう。トランプ、トランプとはなんだ、なんでトランプなんだ。色々と疑問が頭にわく。 「じゃあ、折角ですんで。」 とりあえず目で見て監視するということが混乱した頭で重要視され、なんとなく提案を受ける。気がつけば赤城は用意された座蒲団に座っていた。 1340。 「じゃあ革命です。」 「!馬鹿な、キングは二枚私の手札に……!」 「このトランプ、ジョーカー二枚入ってますから。」 「くっ……考えましたね。」 赤城の出した二枚のキングと二枚のジョーカーを恨めしそうにアルトリアは睨む。それを尻目にテレサはここぞとばかりに4や6を出していく。 誘っても無言のままであったヘラクレスと丁重に断ったフドウを除く四人はとりあえず大富豪を始めていた。この部屋からはマスター達のいるお堂も障子越しに伺える。時おり動く人影にそれぞれが気を配りながら、カードを場に出していった。 なお、このカードの裏面は全て五代雄介の名刺となっている。名刺の裏側をトランプの柄にすることで使用しているのだ。 「白のセイバーよ、なぜ小さい数字のカードばかり持っている?」 「配られたカードなんだから全員こんなものだろ。」 「なぜか絵札しかこないのです……これもユウスケ、貴方の手品ですか?」 「いや、普通にカットしただけなんだけど……」 その後、何度やってもアルトリアに絵札が集まり途中で革命を食らうという展開ばかり起こった為に早々に大富豪はお開きになった。 1400。 「4のスリーカードです。」 「俺もスリーカード。7が3つ」 「ワンペア。」 「ロイヤルストレートフラッシュです。」 「五代さん。」 「五代。」 「なにもしてないって!」 「そうです。これは正当なるゲームの結果。それにケチをつけるのは自分の実力の「アーチャー、もう一回大富豪やろう」「賛成です」やめないか!」 その後怒濤の絵札のラッシュを繰り出すアルトリアを前にトランプではなくUNOをする運びとなった。 1440。 柳洞寺での会談開始から一時間経過。 「あっちも休憩に入ったようだな……ドロー4。」 「まさかお坊さんたちからお茶と羊羮を振る舞われるとはウノ、ドロー4、私はこういったものは食べたことはないはずなんですが、なぜか懐かしい気持ちになりますね。」 「冷ややかでいて滑らかな舌触りです……これはいったいどのようなもので作られているのでしょう……あ、ドロー4です。豆でしょうか?」 「ドロー4、小豆だね。お茶によく合うでしょう?」 「一周するとはな……」 「白(のセイバー)さん、16枚引いてください。」 「……悪いなアーチャー、ドロー2だ。」 「……えっ、えっ?」 マスター達の会談開始から早一時間。四人のサーヴァント達はウノに興じていた。寺に来る人間はそこそこにいるが、やはり誰も実体化しているサーヴァントや閉鎖されたお堂に気を配りはしない。無意識の内に注意が反らされているのだろうか、横にヘラクレスの巨体があるにも関わらず近くの木を指差しながら寺の僧侶の一人が子供たちに虫の捕り方を教えていた。フドウの方を見れば、先程と同じように参拝者に拝まれている。違いがあるとすればその数が十人ほどにまで増えていることだろうか。お堂では障子の影からチョコが何やら立って話していることが推測される。念話で聞く限りだとランサー・カルナの話はとりあえず終わりこれから各々が見つけたサーヴァントの情報を共有する運びになったとのことだった。 隣で難しい顔をしながら18枚のカードを引いた赤城を一瞥して、アルトリアは視線を手札に戻す。マスター達の話し合いは上手くいっている。こちらのサーヴァント達も全員見張れている。そしてこの寺に元から張られていた結界を考えると、現段階ではかなり心配する要素が少ないと言えるであろう。 「ドロー4!」 「……む、ドロー2です。」 「あ、六枚かあ……青セイバーさんウノ言ってないよね?」 「……!ウ、ウ「青(のセイバー)さんドロー4お願いします」……なるほど、気の抜けないゲームです。」 五代と一緒にカードを引きながらアルトリアは三人を見る。こうしてこの三人を監視している限り、マスターの安全は確保され聖杯戦争遂行のための有意義な情報が手に入るであろう。もし視界外のキャスターかバーサーカーが動こうとも距離はこちらの方が近い上に一飛びで援護に踏み込める。それにこれまでの会談の状況を考えれば下手な真似はしないだろう、そう予想できた。願わくば、この状況が会談の終わりまで続いてほしいものだ。 「じゃあスキップ。」 「おっと……やるな。」 「白さんあと三枚ですか、気をつけないと。青さんドロー4持ってます?」 もう一つ欲を言うのならば、青さんとか青セイバーさんとか呼ばれるのは辞めて欲しかった。 1530。 柳洞寺での会談開始から二時間経過。 『ああ、それでいい。あの黒いのは間違いなく五代と同じ魔力を持っている。』 そうチョコと念話をしながら、テレサは「ユウスケ、桂馬はこういってこうか?」と将棋の駒はこつこつとやった。 妖気探知を持つテレサからすれば、この状況はかなり楽なものだ。例え死角に居ようとも少しでも魔力を動かせばそれは手に取るようにわかる。故に、こうしてだらだらと動かず騒がず時間が流れていくというのは非常に都合が良い。不安要素はそれぞれのサーヴァントがこうして遊戯に興じている間も涼しい顔でマスターとの念話をしていることぐらいのものだが、そんなことを言い出したらきりがない。たとえその内容が謀略であったとしても、そこまで知ることはテレサにはできない以上放っておくべきだ。 「王手。たぶんこれで詰ませたと思います。」 「……まだだ。」 「あと三手かな?」 「そこに銀を打ってとられた後に銀ですね。」 こうしてテレサが必死に玉を逃がしている今も、三人はそれぞれに念話をしている。チョコの話によると会談は最後の詰めに入ったらしいのでその為であろう。情報は紙に書かれて纏められるらしいので詳しいところまではわからないが、一応得るものはあったと言える。なによりあのカルナとぶつかるにあたって他の主従が後背をつく存在としてでなく共闘する存在とできそうなのはかなり良い。どの様なサーヴァントでもマスターを守りながらではまともに戦えないことはカルナが証明している以上間違いないのだから。 「こうです。」 「ダメか、参った。」 目の前で玉をとっていったこのアーチャーも相当な頻度の念話をしていることを考えると、中々に難しいものであったと再確認する。だが今回でカルナに向けた包囲網をしけるかが鍵となるのは確実である。しくじるのは避けたい。 (言えることは全部言ったさ。) 後は、チョコを信じることだ。 1640。 柳洞寺での会談開始から三時間経過。 「いえ、このようなものは……」「では寺の方に……」「ええ、全員見ますので……」 しまった、そうフドウが思った時には遅かった。 普段からマスターである慎二をある意味見守りある意味見張る為に、座禅を組み瞑想することで広く警戒をしていたのだが、まさかそれがこうも衆生を引き付けてしまうとは。 少々念話に意識を傾けている間にいやに人が集まっていると感じていたが、いまや目を閉じていても軽く五十人はこちらを拝んでいるのがわかる。中には寺の僧侶もかなりの数がいて一心に経を読み上げるものや唯ひたすらに手に数珠を持ち拝むものもいる次第だ。 ーー別にフドウはなにか魔術を使ったとかそういうわけでは全くなかった。セブンセンシズどころか小宇宙すら極力抑えてはいたのだ。ただいつものように瞑想を行うことで意識を集中させていたのだが、場所が悪かったのだ。 寺で不動明王(聖闘士)が座禅を組んでいる。これを見れば敬虔な仏教徒であればあるほどそれに惹かれることになるのは当然の摂理である。本人としてはこんな聖杯戦争などという争いを起こしている模造された世界にまさかこれほどに信心のある人間がいるとは思っていなかったのだが、NPCと言えど信仰の篤い人間はいるということなのだろう。 そしてもう一つ原因がある。それはフドウがサーヴァントらしさを限界まで消していたことだ。イリヤの張った認識阻害の結界には超常的な物を見たときに無意識に注意をそらすという効果もあったのだが、今回はそれはフドウには当てはまらなかった。寺院で袈裟を着た『魔術的な物を感じさせない』人間がいて『常識的な範囲内で』注目を集めてしまったのだ。もちろん、結界を出ればここでの出来事を段々と忘れていくようになってはいるのだが、一時的にでも注目を集めることには変わりなかった。 (これは、いったいどういうことなのでしょう……) その光景を見て、フドウを呼びに来た赤城はかなり遠巻きに足を止めた。長かった会談もようやく終わり一度全てのマスターとサーヴァントを集める向きになったので呼びに来たのだがまさかこんなことになっていたとは。少し目を離したと思っていたらなぜかキャスターが微かな後光と供に大勢に囲まれていた。なるほど、どうりで人が来ないわけだ、と感涙する人を見ながら思わずにいられない。 「■■■■■……」 「ひゃっ!?あ、すぐ行きます。」 唸り声をあげながら手招きするバーサーカーに答えると、意を決して足を踏み出す。ここでこうしていても仕方ない。とにかくなんとか騒ぎにならないように回収しなくては。 【柳洞寺/2014年8月1日(金)1640】 【セイバー(アルトリア・ペンドラゴン)@Fate/stay night】 [状態] 筋力(50)/A、 耐久(40)/B、 敏捷(40)/B、 魔力(100)/A+、 幸運(100)/A+、 宝具(??)/EX、 アヴァロン使用不可、実体化。 [思考・状況] 基本行動方針 聖杯の力で王の選定をやり直す 1:会談の成果を確認する。 2:帰ったらハヤブサの整備を凛に頼みましょう。 3:何故冬木が会場に……それにイリヤ…… [備考] ●第四次聖杯戦争の記憶を引き継いでいます。 ●スズキGSX1300Rハヤブサを乗りこなせるようになっています。 騎乗スキルの低下を第四次聖杯戦争での経験とバイクの知識を深めることで補っているようです。 ●スズキGSX1300Rハヤブサは小破していますが走行に影響はないようです。 【セイバー(テレサ)@クレイモア】 [状態] 筋力(40)/B+、 耐久(40)/B、 敏捷(80)/B+、 魔力(50)/A+、 幸運(20)/D、 宝具(40)/B、 実体化、妖気探知、剣が折れた、デルフリンガー所持 [思考・状況] 基本行動方針 当面、諜報活動に専念し戦闘は最低限に抑える 1 会談の成果を確認する。。 2:なんでライダー(五代)は黒いバーサーカー(小野寺)と同じ姿なんだ……? 3 悪くないな、この剣。 4:チョコの軽さを注意、ルーラーを色んな意味で警戒。 5:赤いランサーの真名を調べたいけど━━ 6:バーサーカー(小野寺)の索敵能力は警戒しておく 7:真名ってこんな簡単に話していいものなのか? 8 これからどうするか…… [備考] ●赤いランサー(真田幸村)の真名と魔力とある程度の戦法、黒いバーサーカー(小野寺ユウスケ)の魔力とある程度の戦法を確認しましたがマスターではないのでステータス等は確認できていません。 ●バーサーカー(小野寺ユウスケ)のベルト(霊石アマダム)が弱点部位だと何となく理解しました。ライダー(五代雄介)の弱点であるきもしてます。 ●冬木大橋付近と自宅付近と病院付近で妖気探知していた結果、リップバーン・ライダー(五代雄介)・クロノ・バーサーカー(サイト)・ランサー(アリシア)・バーサーカー(ヘラクレス)・ルーラー(ミュウイチゴ)、アーチャー(ワイルド・ドッグ)、アサシン(千手扉間)、キャスター(兵部京介)、セイバー(アルトリア)、ランサー(カルナ)、イリヤ(pl)、バーサーカー(ヒロ)、デルフリンガーの魔力を把握しました。またおぼろげながら周囲にいた人間の気配も感じました。 ●イリヤ(pl)とアーチャー(クロエ)の妖気を同一の物と誤認しました。 ●妖気探知の範囲で現時点までに上記以外のサーヴァント・マスターの情報はありません。また霊体化中は妖気探知の能力が低下します。 ●予選時にどの程度他のチームの情報を得ていたかは後の書き手さんにお任せします。 ●病院に赤いランサー(真田幸村)がいると考えています。 ●大剣が壊れましたが、量産品故に魔力で修復可能です。ただし短時間で修復するには多大な魔力が必要になります。 ●セイバー(アルトリア)とライダー(五代)の真名を把握しました。 ●携帯電話が使えません。 【赤城@艦隊これくしょん】 [状態] 筋力(20)/D、 耐久(150)/A++、 敏捷(20)/D、 魔力(10)/E、 幸運(30)/C、 宝具(30)/E+++ 実体化、魔力増(微)。 [思考・状況] 基本行動方針 マスターを助ける。今度は失敗しない。 1.警戒を厳に、もしもの時は壁役に。 2 戦略資源(魔力等)をもっと備蓄したいなあ…… 3 定期的に宝具で偵察し必要なら制空権を確保する。 [備考] ●アインツベルン城上空を宝具で偵察しました。 ●アインツベルン城の情報を知りました。また赤城の宝具はアインツベルン城に施された魔術の影響を受けることを認識しました。 【ライダー(五代雄介)@仮面ライダークウガ】 [状態] 筋力(10)/E、 耐久(20)/D、 敏捷(10)/E、 魔力(10)/E、 幸運(40)/B、 宝具(??)/?? 実体化 [思考・状況] 基本行動方針 クロノ君を助けながら聖杯戦争を止める 0.乗っているサーヴァントとは殺し合うしかないのか…… 1.会談の成果を確認する。 2 テレサ達とアルトリア達と協力できれば……? 2.あの子(亘)は無事なのか……? 3.できたら協力してくれる人が欲しい [備考] ●バーサーカー(小野寺ユウスケ)の存在には気づきました。 ●封印エネルギーを込めた攻撃は「怪物」の属性を持つ者に追加ダメージを負わせることができるようです。 ただし封印エネルギーによるダメージは十分程度時間が経つと自然に回復してしまいます。 ●テレサとアルトリアの真名を把握しました。 ●セイバー(テレサ)からランサー(カルナ)についてちょっと聞きました。 【キャスター(フドウ)@聖闘士星矢Ω】 [状態] 筋力(30)/C、 耐久(40)/B、 敏捷(60)/C+、 魔力(100)/A+、 幸運(50)/A、 宝具(50)/A 実体化。 [思考・状況] 基本行動方針 マスター・慎二を見定める。今のまま聖杯を手にするならば━━ 1.まずは場を納めねば…… 2.今は慎二に従い、見定める。 3.求めるなら仏の道を説くというのも。 4.色丞狂介、か…… [備考] ●慎二への好感度が予選期間で更に下がりましたが不憫に思い始めました。見捨てることはありません。 ●狂介に興味を持ちました。 ●孫悟空が孫悟空でないことを見破っています。 ●柳洞寺僧侶達を中心に『徳のある異国の高僧』として認識されました。この認識は結界発動中に柳洞寺の敷地から出ると徐々に薄れていきます。 【バーサーカー(ヘラクレス)@Fate/stay night】 [状態] 筋力(50)/A+、 耐久(50)/A、 敏捷(50)/A、 魔力(50)/A、 幸運(40)/B、 宝具(50)/A、 実体化、狂化スキル低下中。 [思考・状況] 基本行動方針 イリヤを守り抜く、敵は屠る。 [備考] ●イリヤと共に冬木大橋から落とされましたが少し流されたあと這い上がっできました。
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